シリア会議でのICRC副総裁のスピーチ 「平和を勝ち取るために闘ってください」

10/04/2017

 

4月4、5日の二日間、ブリュッセルで開催された「シリアと周辺地域の将来に向けた支援」会議で、副総裁クリスティーヌ・ベーリが以下のスピーチを行いました。

 

会場にお集まりの皆さま

 

今日、ここでお話させていただけることをとても光栄に思います。最初に、この会議の主催者に、また計り知れない支援をしてくださっているドナーの皆さまに、そして、シリアとその国民を救うために全力を尽くしている方々に感謝申し上げます。支援があるのとないのでは全く状況が異なります。多くのシリア人にとって、それは生と死を意味するからです。

 

つい昨日、イドリブ県において化学兵器の使用により、私たちは人々の恐ろしい苦しみを目の当たりにしました。犠牲となられた方、そしてそのご家族に心からお見舞い申し上げます。

 

国際人道法のもとでは化学兵器の使用は絶対禁止で、誰であれ使用を控えなければなりません。このことを、全ての紛争当事者に何としても再認識してもらう必要があります。

 

会場の皆さん。私はこの場を借りて、許される限り忌憚なく、単刀直入にお話したいと思います。

 

近年の歴史の中でも最も凄惨な紛争の一つと言われる戦いが始まって6年。私たちは、平和の鐘が鳴るのを待ち焦がれています。そして、最も弱い立場に置かれている人たちを守るため、こうして集っています。

 

今に至るまで、暗い夜が明ける兆しは数え切れないほどありました。

 

対話が持たれました。そして終わりました。停戦が呼びかけられました。それも終わりました。

 

今、人々はもがき、苦しみから抜け出せずにいます。血が流れています。子どもたちは泣いています。ずっと、そんな状況が続いています。もううんざりです。本当に、うんざりです。

 

私たち人道支援者は、持てる限りの力を尽くしています。時には、最も困難で危険な状況下で活動します。目の前の苦しみに目を向けます。苦痛を少しでも軽減するよう手を差し伸べます。きれいな飲み水や、暑さ寒さをしのげるシェルターを提供します。食料を与えます。手足をもぎ取られたら縫合します。こうした会議にも出席します。このように、私たちは本当にたくさんのことをやっているんです。でも、できることには限界があります。

 

私たち自身が、苦しみを永遠に終わらせることはできません。その役目は他の人たちが担っています。そうです、ここにいるあなた方です。政治家、政策決定者です。

 

シリアの人々に今必要なのは、事態の終焉です。

 

皆さんに訴えます。昼夜を問わず、平和のために働いてください。平和を勝ち取るために闘ってください。見劣りのする、生半可であいまいな平和ではなく、問題解決に導き、尊厳を与え、全ての人に安心と安全を提供する平和です。実行可能な、そして持続可能な政治的解決のために働いてください。

 

そのように行動する一方で、今この場ですぐにできることについても考えてみてください。少しでも状況を改善するために、今のあなたに何かできることはあるでしょうか?もちろん、あります。

 

友人や同僚、同盟国と話をしてください。物事に変化をもたらすことのできる、他の政策決定者たちにです。そして、彼らに次のことを伝えてください:

・民間人や民間のインフラへの攻撃は止めてください
・人口密集地で、破壊力の高い武器を使用しないでください
・家を去らなければならない状況に人々を追い詰めないでください ――― そして、彼らが戻りたいと思った時に安全に家に帰れるようにしてください
・収容所に囚われている人々の尊厳を守ってください
・政治的な合意によって人道支援が左右されるような状況を作らないでください ――― 人道と政治は切り離されていなければなりません。犠牲者は犠牲者です。敵側か味方かは関係ありません。

 

そして、絶望の中にいる人がどちらの側であれ、その人たちに食料や水、医療支援を届けようと純粋に人道活動に従事する人たちにアクセスを与えてください。

 

ここまで述べてきたことを実行してください。そうすれば、命は救えます。実践してください。そうすれば、銃声が鳴りやんだ時に、平和と和解へと人々を導くことが容易になります。そうです。今こそ、あなた方によって変化がもたらされるのです。やってみれば、そんなに難しいことではありません。

 

ここにお集まりの皆さんは、外交官としてのキャリアを歩み始めた時、世の中を変えてより良くしよう、といった理想や楽観主義に満ち溢れていたことでしょう。そして経験を積み重ねていくにつれて、徐々に悲観的、現実的、実務的になり、柔軟さを失っていったのかもしれません。今、あなたが変化をもたらせる時がやってきました。この機を逃さないでください。

 

私たち共通の人類のために、物事に変化がもたらせるよう、ご自身の力や能力、良心と向き合ってください。

 

シリアの人々はこの先、どれだけ泣き続けなければならないのでしょうか。どれだけ沈黙の中で悲鳴を上げ続けなければならないのでしょうか。

 

ありがとうございました。

 

原文は、本部ウェブサイト(英語)をご覧ください。