戦時下で行き過ぎた行為を留めるには : 戦時の決まりごとと、紛争下での行動変容のもたらし方

18/07/2018

武装勢力の人たちを対象に国際人道法について話す職員。コンゴ民主共和国にて ©W. Kambale/ICRC

 

この7年間で、先の70年よりも多くの武装勢力が出現。彼らに「戦時の決まりごと」を守るよう、あなただったらどう説得しますか?

 

これは、赤十字国際委員会(ICRC)が「The Roots of Restraint in War(『戦時下で行き過ぎた行為を留めるには』)」という新しい報告書を発表したことを受けて、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)にて6月のある夜に行われた議論の主題です。

 

2年間にわたる調査の集大成となった報告書は、変化する戦場のダイナミックさについて理解を深めることに主眼を置いています。

 

報告書の中では、武装勢力との対話は、民間人や人道活動の従事者に前向きな結果をもたらすという新たな証拠が提示されています。

 

複雑な紛争

 

ICRCは戦争に関わる全当事者と対話の場を持ち、人道支援のためのアクセスを確保し、戦時の決まりごとへの尊重を徹底するよう促しています。

 

しかし、分散化された武装勢力の数の増加は――相手を変えながらも同盟関係で結ばれていることがしばしばある――、対話を設けて、全当事者に影響をもたらすことをより一層難しくさせています。ですが、不可能ではありません。

 

報告書の執筆者の一人、フィオーナ・テリー博士は「行き過ぎた行為を抑制するには、何が一番効くでしょうか。訓練でしょうか。法律でしょうか。影響を与えるのは何でしょうか?」と会場で問いかけました。

 

RUSIで開かれた、報告書『戦時下で行き過ぎた行為を留めるには』の発表会 ©ICRC

 

刻々と変わりゆく現在の紛争の情勢では、武装勢力の中において行動を抑制する文化がどのように社会化されているのかを理解することによって、彼らにより影響を行使できるということが調査で明らかになりました。

 

パネリストたちは、ビジネス、宗教、あるいはコミュニティーといったグループが、どのようにして、こうした自制の文化に対し影響力を持つのかについて議論しました。

 

ICRC副総裁のギレス・カルボニエは、「軍や武装勢力が自制した事例を理解するためにも、何がそうさせるのかに着目することは、非常に有益です。何が要因なのでしょうか?」と語りかけました。

 

ルールとの戦い

 

一例として、南スーダンの事例が提示されました。同国では、格闘競技が成人になるための通過儀礼とされています。牛を飼育しているグループを対象にした応急手当訓練の集まりで、あるICRC職員が数人の若い男性に、格闘競技のルールを説明するよう頼みました。

 

彼らの説明を受けたのち、その職員は、誰が正当な競争相手となるのか疑問に思い、老年の女性を指しながら、彼女も相手になりえるのかと尋ねました。

 

若い男性が、女性や老年の男性、子どもたちはこの崇高なスポーツに参加するにはあまりにも弱いと考えられている、と応えるや、周囲の人々は失笑しました。そこで、その関係性を例にとって、武力紛争のルール下で守られるべき人々のカテゴリーについて、ICRC職員が指摘しました。

 

「(報告書の中で言及されている)軍の組織が異なれば、行動変容のためのアプローチも変える必要があるかもしれないという認識は、新鮮です」と、キングス・カレッジ・ロンドンの防衛研究学部(Defense Studies Department)で軍事倫理学を教える准教授のデイビット・ウェサム博士は補足しました。

 

原文は本部サイト(英語)をご覧ください。

 

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