ガザ: 崖道のトウモロコシ

23/12/2019

©A.Zagout/ ICRC

ガザ地区の崖道にある見晴らしの良いカフェテリアで、客に温かい飲み物を運ぶオーナーのファディ・アル‐オマリさん(26)。値段は一杯1~2シェケル(30~60円)程度。

 

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ファディさんのカフェテリアでくつろぐ若者たち。トランプに興じたり、水たばこのシーシャをくゆらせながらホットドリンクを飲んだりして思い思いに過ごす。経済困難に見舞われるなか、多くの若者たちにとって、お財布にやさしい飲み物を出してくれる店は貴重。

 

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ファディさんのカフェテリアの名前は「fakher a’al akher (現地語で「優雅」の意)」。より多くの客を呼び込もうと木製パレットの椅子にロープライトを飾り付けた。やさしい光がガザの崖道をおしゃれに照らす。

 

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崖道で一番人気のゆでトウモロコシ。オーナー自ら調理。

 

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「優雅」内に設置した屋台に、ゆでたてのトウモロコシを並べるファディさん。1本1シェケル(約30円)で、アツアツを丸ごとほお張ることができる。

 

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ガザ、崖道のカフェテリアにパラソル立てるファディさん。

 

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ガザ、崖道で夕焼けを眺める一家。木製パレットのブランコは、大人も子どもも楽しめる。

 


「貧困から生まれる創造性」

 

ガザの崖道に開いた小さなカフェテリアを、ファディ・アル‐オマリさんはそう呼びます。自分も家族も養わなくてはならない26歳の若者は、無職で生活に困っていた時にこのアイデアを思いつきました。

 

失業問題にあえぐガザの何万もの若い男女と同じく、ファディさんは職業学校を修了したものの、そこから仕事を見つけることはできませんでした。

 

質素な屋台を持ち、ガザ人にとり魅力的でお財布にやさしいスナックを売り始めました。それがトウモロコシです。

 

「男兄弟3人と私とでこの事業を考えました。質素だけれど魅力的なカフェテリアを作りたかった。ベンチに電球をつけて、この場所にとびきりの美的価値を植え付けたところ、多くの客を呼び込めたんです」と語ります。

 

ファディさん兄弟は、手ごろな木製パレットでベンチを作りました。仕上がりにこだわり、ベンチにロープライトを飾ったところ、心地よい、おしゃれな雰囲気を醸し出すことに成功しました。

 

「明かりのついた椅子」はファディさんのカフェテリアの売りになりました。多くの若者や家族が訪れ、美しい海の風景を写真に収めたり、眺めに来るようになりました。

 

事業を進めるにあたり、直面した課題。「ガザの停電は重大な問題です。月額150シェケル(約4500円)で発電機の契約をしなければなりませんでした。行政が崖道エリアのこうした事業に反対していたので閉店に追い込まれるのでは?と不安でした」と言います。

 

この事業により、妻と子どもたちの他に8人のファディ家の家計を賄っているファディさん。それに最近、従業員の4家族が新たに加わりました。

 

「店では各種の温かい飲み物やトウモロコシを安く売っています。カフェテリアをもっと飾り付けて、できるだけ集客したいと頑張っています」と語るファディさん。「商売が長く続けられることを期待して、一生懸命働いています。そうしないとすべてが無駄になってしまうからね」。

 


フォトギャラリー:2019年12月17日