長期化する紛争に対応するため、1億1500万ドルの追加支援を要請

プレスリリース 07/09/2016

赤十字国際委員会(ICRC)の事業局長であるドミニク・シュティルハルトは、世界各地で深刻化している人道危機に対応するためには、2016年後半の活動資金として数百万ドル規模の追加支援が必要である、と訴えました。シュティルハルト局長は、「新たに起きた紛争の多くが長期化する傾向にあるだけでなく、以前から続く紛争も解決への糸口が見いだせずにいます」と話します。

私たちによる支援の70パーセントに相当する、およそ11億ドル(11億スイスフラン、1126億5100万円)は、長引く争いに巻き込まれた人々への支援に向けられています。このような紛争は、長期にわたることに加えて、出口が見えず、複雑化しているのが特徴です。

「このような紛争の影響下にある国々は、年を経るにつれて極限にまで追いつめられるような状況に陥っていて、人々の命をつなぐ上で欠かせないインフラや支援システムは崩壊しています」と続ける局長。十分に対応できていない人道ニーズに応えるために、2016年後半の活動資金として、1億1500万ドル(1億1300万スイスフラン、117億7715万円)の追加支援をドナー各国に呼びかけました。

「特に都市部での問題が悪化の一途をたどっています。長年の戦闘で、主要サービスはことごとく破壊されました。水や電力、学校、病院は破壊または大きな損壊を被っている状況です」

「こうした損壊は一瞬にして起きることがあります。イラク中部のファルージャがその例といえるでしょう。また、ソマリアの首都モガディシュのように被害が積み重なり、修復せず放って置いた結果、システムが機能不全に陥ってしまったという場合もあります。どちらも結果は同じです。人々がさらなる貧困に陥って弱い立場に追いやられることのないよう、私たちは彼らが必要とするシステムを何十年にもわたり修復してきました」とシュティルハルト局長は話します。

資金配分においては、対象国をあらかじめ特定せず、複数年にまたぐパッケージで支援を提供していくほうが、その時々の状況を考慮した見通しを立てやすい、とも話す局長。このような枠組みであれば、緊急支援を行いながら長期にわたるニーズにも対応することが可能となります。

今回の追加要請は、ICRCの新しい報告書である「長引く紛争(Protracted Conflict)」の発表に合わせて行われました。本書では、私たちが現場で積み重ねてきた経験を具体例として取り上げ、昨今の紛争に非常に顕著な、壊滅的で解決策が見いだせない状況における人道支援はどのようにあるべきか、深く考察しています。

報告書の全文(英語)は、こちら(pdf、2.9MB)を、本プレスリリースの原文は本部サイト(英語)をご覧ください。

※1ドル= 102.41円(2016年9月時点)