イラク、シリア、イエメン:市街での戦闘による市民の死亡は5倍~報告書発行~

プレスリリース 15/06/2017

6月14日付けで発行された赤十字国際委員会(ICRC)の報告書で、市街での戦闘によって死亡する市民の数は、他の戦闘と比較して5倍になることが明らかになりました。

 

『わたしの街が死ぬのを見た』と題された報告書では、2010年から2015年の間に戦争で命を落とした市民の半数が、報告書の主な焦点となっているシリア、イラク、イエメンの3カ国で亡くなっていることも伝えています。

 

「イラクとシリアにおいて、過去3年で亡くなった市民の70%が市街での戦闘によるという衝撃的な事実を報告書は示しています」と、中東地域代表のロバート・マルディーニは話します。「これは、市街での戦闘がいかに致命的なものであるかを物語っています。シリアのラッカや緊張が高まるイラクのモスルなどで始まろうとしている戦闘に対する更なる警告です。都市の被害が新たな規模で発生しようとしており、そこでは、誰も、何もかもが暴力から逃れることができません。」

 

この調査結果は、イラクとシリアでの過去3年にわたる戦闘の傾向とデータの初期分析に基づき、報告書にはシリアのアレッポやイラクのモスル、イエメンのタイズの住民による証言や専門家の分析が含まれます。攻囲戦や爆発物の使用、重要インフラ破壊による影響を鮮明に描いています。

 

これらの国での紛争の結果、第二次世界大戦以降まれにみない規模で国内避難民と移民が出現しています。イラク、シリア、イエメンで計1700万以上の人が家を追われています。そして、もし、現実的な政治的解決方法がすぐに見つからなければ、危機はさらに長期化します。市街での戦闘の影響は壊滅的です。武装集団が軍事目標と民間インフラを識別できていません。さらに悪いことに、彼らは民間インフラを利用、もしくは直接狙っています。

 

「行動を起こす権限を持っている人に責任があります。戦う側に立つ人たちは、自分たちが最終的に統治しようとしている人々に与えている戦闘の影響を認識しなければなりません。たとえ勝利しても、法律や市民の基本的な人道精神を尊重していないと人々が感じる中で、勝者は平和を維持できるのでしょうか?暴力の結果は何世代にもわたって波及し、これらの紛争を経験した都市は、将来、更なる暴力を生み出す本当の危険をはらみます」とマルディーニは話します。「紛争当事者を支援する国家は、最大の努力をもって同盟者を抑制し、国際人道法への尊重を確実なものにしなければなりません。そして銃声が鳴りやんだ時、地域の人々と組織がコミュニティーの再建において中心的な役割を担わなければなりません。」

 

報告書では、レバノンでの15年に及ぶ内戦についても考察し、圧倒的かつ長期的暴力の後に地域が復活するのを支援するため、ベイルートの経験から何を学べるかについても分析しています。

 

原文については、本部サイト(英語)をご覧ください。

報告書(英語)のダウンロードはこちら(PDF)