ジャカルタ地域代表部でのインターンシップ体験談

お知らせ 17/02/2020

ICRCジャカルタ地域代表部の職員と

齋藤 有希さん
(東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻国際関係論分野「人間の安全保障」プログラム)
2019年10月~12月までICRC地域代表部にインターン勤務

応募したきっかけ

私は、かねてより人道支援に関心がありました。二度の世界大戦の時代を生きた曽祖父と一緒に暮らしていたことや、中学から高校までの間に広島や長崎、沖縄、フィリピンなど戦争の被害を受けた地域を訪れたことがきっかけです。

その頃から、戦争や紛争の影響で苦しむ人を一人でも少なくすることができる仕事は何か、と考え、将来は国際機関で働くと決めていました。大学に入った後も授業で東ティモールを訪れる機会があり、この思いは一層強くなりました。

その後、大学・大学院を通して、現場で苦しむ人々の人道援助へのアクセスを確保するための方法について研究してきました。大学院二年時には、紛争を起こす要因は何か、またその予防策についてより専門的に研究したいと考え、休学してイギリスの大学院に留学しました。

その間、元国連職員や、NGOを休職して同じコースで学ぶ方々と知り合い、早く実務の現場で働きたい、という思いが強くなりました。その中で、タイミング良く日本の大学院の指導教官より本インターンシップを紹介していただき、本プログラムに応募しました。

インターンとしての業務

インドネシアと東ティモールを管轄するICRC地域代表部に勤務。同地域代表部には、アジア大洋州地域における人道外交を担当する部署があり、その中でも、特にASEANとの連携強化の業務の補佐をしました。インターン期間中は、人道分野に関するテーマについての情報収集を主に担当しました。業務の流れとしては、取り上げるトピックとおおまかなフォーマットをスーパーバイザーに教えてもらった後、インターネット上のニュース記事や関連ウェブサイトなどを使ってリサーチを行い、草稿をスーパーバイザーに提出。指摘された箇所を直して完成となります。

ICRCの関心事である「人道的な課題」は私が思っていたよりも幅広いものでした。例えば、領土問題やサイバーセキュリティなど、一見すると人道支援と関わりのなさそうにも思うのですが、実際は国際人道法等との兼ね合いがあったりなどとても興味深いなと感じました。また、ICRCといえば、現場での人道支援を行う「実務機関」であるという認識だったのですが、だからこそ関連テーマについての調査研究にもかなり力を入れているのだと感じました。

上記業務以外に印象に残っていることがあります。それは、インドネシアと東ティモールにおける軍隊への国際人道法の啓発です。私自身、外部で行うワークショップに同行してお手伝いをする機会が何度かありました。その中で最も印象的だったのは、国連PKOにこれから派遣されるインドネシアの武装警察官120人を対象にした性的暴力についてのブリーフィングです。警察官はライフル銃を椅子の下において熱心に説明を聞いていましたが、私はそのような光景に慣れていなかったため非常に緊張しました。一方、ICRCのスタッフは堂々とワークショップを進めており、改めてICRCの高い専門性を目の当たりにしました。

インターンシップを通じて学んだこと

ここには書ききれないくらい多くのことを学びましたが、最も印象に残ったのは代表部の誰もが職員間のコミュニケーションを非常に大切にしている、ということでした。業務を円滑に進めるにあたって、日常的な他愛もないコミュニケーションが大変重要であることに気づかされました。その他では、実務機関ならではのスピード感にも驚かされました。大学院の授業で数週間かけて作成する分量のレポートを、数日から1週間ほどで完成させる仕事のペースは非常にやりがいのあるものでした。

仕事の量については、上司が調整してくれ、質・量ともに充実した3カ月間を過ごすことができました。

この経験を踏まえて

本インターンシップでは、主に人道分野に関するテーマについての情報収集を中心に行いましたが、それに加え、ICRCが行っている様々な活動についても多少なりとも触れることができました。今後は開発を通した国際協力の業界で働くことになります。広義の安全保障の視点から見れば、両者が目指す先はそれほど異なるものではないと考えていますが、開発分野ではより公共に資するプロジェクトが多くなると考えています。本インターンシップを通して学んだ経験や同僚や上司、外部の方とのコミュニケーションを重視しながら業務にあたっていきたいと思っています。