紛争下の人たちの声を届ける
日本にとっては幸い戦争は過去の出来事。毎年8月には戦争についての番組や特集が組まれるなど、世間やメディアの関心が高まります。世界がうらやむ平和を享受している私たちが、過去を知り、時に向き合う大切な時期なのかもしれません。
一方で、日本の外に目を向けてみると、日々凄惨さを極める戦闘に多くの人が行き場をなくし、一日も早く平和が訪れることを心待ちにしている人たちがたくさんいます。彼らも私たちと同じで、家族や大切な人とずっと一緒にいたい、美味しいものを食べたい、旅行がしたい、友達と遊びたい、と思っています。そうした当たり前の日常や望み、そして命まで奪ってしまうのが戦争です。たまたま生まれた土地が戦場と化し、一向に止む気配のない暴力に怯え、不安に暮らす毎日。遠く離れていても、同じ時代に生きる仲間として彼らの声や姿を無視することはできません。私たちは、今後も紛争下で力強く生きようとしている人たちに光を当て、同時に、戦時の決まりごとである国際人道法の守護者として、彼らの痛みや苦しみを和らげ、人間の尊厳を守ることに力を尽くします。