ICRC駐日代表部について
駐日代表部の活動:
2009年2月、60年ぶりに日本に開設され、組織の認知度を高めると同時に、世界の紛争地や情勢不安に陥った地域における活動への支援や理解を仰ぐことを主な使命としています。
2009年2月3日、赤十字国際委員会(ICRC)駐日代表部(開設当時の名称は駐日事務所)が東京・汐留に開設されました(現在は東京・赤坂に移転)。
2000年代に入ってICRCは、紛争や国内騒乱がアジアで頻発していること、また、今後アジアの影響力・存在感が国際舞台においてより強まることを見越して、アジアに拠点を増やしています。2005年7月には中国に地域代表部を設立、バンコク地域代表部やフィリピン代表部の機能も強化してきました。過去のICRC日本駐在は、二つの世界大戦に伴うもので、第一次世界大戦では、日本とシベリアで抑留された中央同盟国の戦争捕虜(ドイツ人、オーストリア人、ハンガリー人、トルコ人)を対象に、収容所の訪問を行っていました。このとき日本に事務所を設けることはありませんでしたが、第二次世界大戦では日本に代表部を設置(1942-49年)。収容所に捕虜を訪ねたり、外国で捕らわれた人たちと国内にいる家族の間を赤十字通信で繋いだりしたほか、広島における被爆状況の調査や被爆者の支援・保護が主な活動でした。
60年前は国際社会から支援を受ける側だった日本も、今では支援を行う側に身を置いています。2008年2月に来日したICRC総裁ヤコブ・ケレンベルガー(当時)は、日本を戦略的パートナーと位置付け、平和構築推進において日本の果たす役割の重要性を説きました。
ICRC駐日代表部の任務も60年前の前回とは180度異なり、国際社会における日本のステータスに見合った貢献を政府に要請し、世界の最前線の情報を提供します。また、イノベーションや技術面において日本の大学や民間セクターとの産学連携を強化し、人道ニーズを満たすための手段やツールの開発に積極的に取り組んでいます。
寄付について
ICRC駐日代表部は、一般の個人からの募金・寄付を受け付けていません。ICRCの活動費は、約9割がジュネーブ諸条約に加入している各国政府からの自発的な拠出金から成り立っています。
赤十字活動への日本国内における募金・寄付は、日本赤十字社が受け付けています。
なお、毎年12月にNHKと日本赤十字社が共同実施する「海外たすけあいキャンペーン」では、寄せられた募金の一部がICRCの紛争地での活動に充てられます。