核兵器禁止条約採択に伴う共同声明

お知らせ 10/07/2017

核兵器禁止条約採択についての赤十字国際委員会(ICRC)と国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)の共同声明

2017年7月7日

 

ICRCをはじめ、国際赤十字・赤新月運動(以下、赤十字運動)が核兵器廃絶を初めて呼びかけてから72年が経った今、何より被爆者と核実験の被害者の苦しみを思えばこそ、この、実に歴史的である条約を熱く歓迎します。

 

ICRCとIFRCは、エレン・ホワイト議長、そして核兵器禁止条約の採択に向けて会議に参加した国々に、心よりお祝い申し上げます。この条約の歴史的意義をどんなに語っても、誇張しすぎることはありません。核兵器のない未来への必要不可欠な、待ちに待った一歩です。

 

私たち赤十字運動は、1945年に自分たちが目の当たりにした原子爆弾の恐ろしい影響について、独自に直接証言することでこうした取り組みに尽力してきました。また、自分たちの経験と知見に基づき、核兵器の使用が人体にもたらす長期的な影響や、使用された際に有効な人道支援対応ができないことについての証拠も提示してきました。

 

壊滅的な人道的影響を認識しつつ、条約は国際人道法に基づき、明確かつ包括的に核兵器を禁止します。核兵器使用は、いかなる場合においても、人道の原則、社会の良心にとって許しがたいことである、と条約は認めています。核実験および核兵器の使用で被害を受けた人々を支援し、汚染された環境の修復に従事するという確固たる約束も条約に含まれています。また、核保有国を含めた全ての国の支持を取り付けるまでの道のりも提示しています。

 

核兵器禁止が地球規模で法の中に組み込まれたことで、核兵器の時代を終わらせる取り組みの転換点に私たちは立っています。この条約は、多くの国が核兵器を道徳的、人道的、そして今や法的にもはっきりと拒絶するという意思の裏付けです。

 

世界中の国々が、条約に対して徹底的に考察したり、何かしらの反応を引き起こすでしょう。また、そうでなければなりません。核兵器が禁止されるからといって、この世から即座になくなるわけではありませんが、核兵器の使用が不名誉なことであるという意識を強め、核リスク削減ための努力を支持し、核拡散に対する明白な阻害要因となり得ます――それらはどれも、地域的また国際的に高まる緊張と、その結果増幅する核使用のリスクを踏まえて、今日では特に重要な要素です。核兵器の禁止は、核不拡散条約第6条にもあるように、核軍縮に向けた既存の取り組みを満たす具体的な一歩でもあります。

 

核兵器禁止条約の迅速な発効と誠実な実行を確固たるものにするために、赤十字運動は積極的にこの条約を推進し、できるだけ早い各国政府による署名と支持を促します。核兵器廃絶に向けて社会の良心を呼び起こすうえで、赤十字運動の役割、そして何より市民社会が果たした重要な役割が条約の中で認められていることに感謝しています。また、条約の履行や核兵器の使用・実験によって被害を受けた人たちへの支援、そして条約締約国会議や再検討会議を含めた、将来にわたる継続的参加を打診してくれたことにも感謝します。

 

2017年4月、ICRC、IFRCそして世界36の赤十字・赤新月社の代表たちが長崎に集まり、長崎市に落とされた原爆の身体的・精神的傷跡を、自分たちの目で見て、耳で聞きました。日程の最後には、長崎を核兵器が使用された歴史上最後の場所にしようと、国際社会に訴えました。その長崎宣言の一節です。「核兵器のない世界を実現することは、未来の世代への義務であり、私たち共通の人類を存続させるために課せられた責務です。壊滅的な人道的被害を与えるリスクのある核兵器が、人間に安全保障をもたらすと解釈することは到底無理です。人類を守るためには、勇気と積極的な貢献、足並みの揃った行動が必須です。今こそ、核兵器の禁止と完全な廃絶によって、何よりもまず、人類を最優先に位置付けるべきです」。 今回採択された条約は、核兵器の時代を終わらせる歴史的な第一歩です。

 

原文は本部サイト(英語)をご覧ください。

 

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