モザンビーク:コロナ禍で避難先を求める人々 北部に国内最大の治療センターがオープン

プレスリリース 04/09/2020

©ICRC

マプト(ICRC) –– モザンビーク北部のカボ・デルガード州で多発する襲撃事件により、これまでに数千人が陸路や水路を使って州都ペンバに避難しました。赤十字国際委員会(ICRC)は、ペンバにおける新型コロナウイルス感染症の流行を受けて国内最大の治療センターの建設を支援。9月2日にオープンしました。

 

ほぼ着の身着のまま家を後にした避難民たちは、ペンバに到着すると疲労とトラウマにさいなまれています。モシンボアダプライアなど州内各地で最近起きた襲撃から州都を目指す人の数は、今後数週間でさらに増える可能性があります。

 

ペンバで活動するICRCチームを率いるラウル・ビッテルは次のように語ります。「モザンビークの人々は、命を守るために武力紛争から逃れる代わりに、コロナ感染のリスクにさらされています。新しい治療センターは、コミュニティーの健康管理の一助となるでしょう。とはいえ、避難してきた人たちにとっては、民間居住区での戦闘が止まない限り家には戻れない状況が続きます」

 

ペンバは国内のコロナ流行に拍車をかけている都市の一つで、感染リスクが非常に高まっています。避難民の多くが身を寄せている家族や親せきの家では家計への負担が増し、感染拡大につながる過密な状況が多く見られます。ソーシャルディスタンスを保つのは不可能になってきています。

 

「(この度オープンした)Décimo Congressoは国内最大の新型コロナウイルス感染症治療施設です」と語るのは、州保健当局で企画局長を務めるムウェルス医師。「施設がフル稼働しなくてもいいことを望みますが、そのような事態となっても対応できる機能を備えています。多くの避難民を抱え、より密になった人々の感染リスクを考えると、カボ・デルガード州では極めて重要なことです」。

 

戦闘の激化に伴って人道支援が困難になるという憂慮すべき傾向が、モシンボアダプライアにも見て取れます。同市をはじめカボ・デルガード州各地では、民間人の生活や財産を顧みない紛争が続いています。家屋は焼失し、学校や医療施設は略奪や破壊行為に遭い、農地も荒廃しました。死傷者、行方不明者は数百人に上り、数十万人が家を追われ、茂みに隠れ、逃げ惑いました。

 

2017年以降、資源豊かなカボ・デルガード州のコミュニティーは、繰り返す暴力に悩まされてきました。今年に入って襲撃が頻発・激化すると、これまで無傷で避難所となっていた地方の町も被害を受けるようになりました。

 

5月下旬には、ICRCが1年前から給水と医療サービスの復旧に当たっていた町マコミアが攻撃を受けました。町の人々は一斉に草むらに隠れ、状態のよくないボートで南に逃げました。2019年のサイクロン「ケネス」で破損し、ICRCが修繕した産科病院も、今回の襲撃で損壊しました。

 

©ICRC

 

カボ・デルガード州におけるICRCの活動および人道上の懸念:

 

• モシンボアダプライアで最近起きた複数の攻撃によって、人道支援が困難に。襲撃の恐怖に怯えながら暮らし、医療やシェルター、食料、安全な水など法律が保障している基本的な人道上の支援を受けることができない人々の日常を憂慮しています。

 

• 襲撃を受け、私たちはマコミアにおける活動の無期限停止を余儀なくされました。以前に起きた洪水で一帯の道路と橋が流され、街中へのアクセスが困難な状況下で襲撃を受けました。給水を改善する私たちの事業も未完のままです。サイクロン「ケネス」で被災し、昨年12月に再開した前述の産科病院も攻撃を受け、破壊されました。

 

• ICRCは国内パートナーのモザンビーク赤十字社(CVM) と協力し、武力紛争により高まった人道ニーズに応えるため、2020年のカボ・デルガード州における活動を拡大します。より多くの患者の対応と戦傷者の治療を迫られている医療施設には、医療機器や医療用品を提供。水道などのインフラは、必要に応じて復旧作業を行います。また、感染症については、CVMのボランティアがコミュニティーを対象に啓発活動を実施する予定。ICRCとCVMは、避難世帯のため今後1年間、マットレス、蚊帳、防水シート、石けんなどの救援物資や清潔な水を提供し、衛生設備を整えます。

 

• コロナ患者が増加するペンバでは、世界保健機関 (WHO) 、ユニセフ(国連児童基金)とともに、国内最大規模のコロナ治療センターとなるDécimo Congressoの建設を支援。同センタ―は患者200人の即時受け入れが可能で、最大収容人数は400人。

 

• ICRCとCVMは、ペンバの避難世帯へ救援物資を配付。今年はこれまで1万2500人超に、台所用品や防水シート、個人用衛生用品をはじめとした生活必需品を提供しました。配付時にはソーシャルディスタンスを確保し、ルールに則って新型コロナウイルス感染防止に努めました。また、支援を最も必要とする150の避難世帯に補助金を支給しました。