核兵器禁止の歴史的合意「人類のための勝利」

プレスリリース
2017.07.10

ジュネーブ(ICRC)―120を超える国々が今日、核兵器を禁止する歴史上画期的な条約を採択しました。世界で核兵器の脅威が再燃していたこの時期に、合意はなされました。

 

「今日、世界は、無差別で非人道的な武器の違法化に向けて歴史的一歩を踏み出しました。未来の核廃絶において極めて重要な礎となります」と赤十字国際委員会(ICRC)のペーター・マウラー総裁はスイス・ジュネーブで語りました。「この合意は、私たち人類にとって意義深い勝利です」。

 

「核兵器は、あまりにも長い間、国際法で明確に禁止されることのなかった唯一の大量破壊兵器でした。その矛盾が今日、条約採択によって解消されました」とマウラー総裁。

 

条約が採択されたニューヨークの国連本部における交渉会議には、ICRCも積極的に参加してきました。核兵器がもたらす壊滅的な人道被害を認識し、国際人道法に基づいた明確で曖昧さのない禁止を謳った条約を主張してきました。

 

7月7日に採択された条約は、こうした目標に合致しています。核拡散に反対する確たる基盤を作り、やがて核廃絶につながる道のりを築きます。条約は、50カ国が批准した時点で発効され、ICRCも世界各地の赤十字・赤新月社と一緒に後押します。

 

ICRC法務部武器関連課長 のキャサリーン・ラワンドは、交渉が合意に達したことについて参加諸国を称賛しました。「条約は、核兵器の使用が不名誉なことであるという意識を高めるでしょう。しかし、採択されたからと言って核兵器が一晩でなくなるわけではないこともわかっています。私たちの共同作業は、まだ完成にはほど遠いのです」。

 

ICRCは、国際赤十字・赤新月運動と共に、核兵器の禁止と廃絶を長いこと呼びかけてきました。ICRCの医師たちは1945年、日本で原子爆弾が使用された後、現地の惨状にいち早く対応しました。壊滅的な人道的影響は当時から明らかで、その苦しみは現在も続いています。

 

「核兵器は、人類が発明した最も恐ろしい兵器です。筆舌に尽くしがたい人的被害、そして取り返しのつかない環境被害をもたらし、人類の存続そのものへの脅威です」とマウラー総裁は語ります。

 

原文は本部サイト(英語)をご覧ください。

 

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