イスラエル・パレスチナ:ICRC総裁新たな対話を求める
2013年7月4日
ジュネーブ / エルサレム – 赤十字国際委員会(ICRC)総裁であるピーター・マウラーは、何十年にもわたる占領に苦しむパレスチナ人の生活の改善には、より実質的な対話が必要であると話します。
一年前に総裁となってから初めてのイスラエル・パレスチナへの4日間の訪問を終え、マウラー総裁は安全保障と人道的懸念の新たなバランスを打ち立てることが重要であると話しました。
「パレスチナ人の生活改善に向け何が必要なのかを熟慮すること、これが非常に重要な課題です。」とマウラー総裁は述べました。今回の訪問ではガザ地区も訪れ、イスラエルの収容所で拘束されている被拘束者の家族にも会い、ヨルダン川西岸の分離壁がもたらしたパレスチナの孤立化を目の当たりにしました。
マウラー総裁は、イスラエルのシモン・ペレス大統領、ベンヤミン・ネタ二ヤフ首相、パレスチナのラミ・ハムダラ首相、ガザ地区のイスマイル・ハニエ首相といった主要な政治指導者たちとも面会しました。
会談は率直で有益なものであったとマウラー総裁は話しました。しかし、46年間に渡るイスラエル占領を経た今、占領政策の有害なインパクトについてイスラエル政府と有意義な対話を確立するときであるとも付け加えました。
「ICRCがどのレベルでも真の対話を持てるという点は重要です。対話が可能となるからこそ、安全保障上の懸念とパレスチナ社会に対する占領のインパクトを適切に評価できるのです。」と総裁は話しました。
「ICRCはイスラエルの決議がもたらしたパレスチナ人への人道上の問題を懸念しています。例えば、ヨルダン川西岸の分離壁の経路指定、東エルサレムを含む入植地の創設など、これらは人道法に照らすとイスラエルの義務とはなりえません」と総裁は付け加えました。
「我々は、人道法の順守が両サイドの人道的な苦しみを和らげるのだと信じています。パレスチナとイスラエル両者が最大の関心を払うことで、紛争の平和的解決への道が拓けるでしょう」
詳細な記事はICRCジュネーブ本部(英語)で確認できます。
イスラエル・パレスチナにおけるICRCの活動はこちら(英語)。