イスラエルとパレスチナ被占領地:ガザの人びとが直面する恐怖と強制移動

イスラエル・パレスチナ
2025.09.29
several people from Gaza city and thier luggage carried in a carrier

©Reuters Connect

ガザのICRCスタッフ、アフメド・アル・ワヘイディの証言

「妻と子どもを北部ガザに残し、避難場所を探すため、昨日6時間かけてデイル・アル・バラにやってきました。家族の居住先のごく近くで行われている戦闘に恒常的な恐怖を感じています。5分ごとに安否の連絡をしたい気持ちを堪えて旅に出ました。先日、家からわずか50メートルの距離にある建物が損傷され、絶え間ない爆発音、数百メートル先の爆発の衝撃、壁の振動、塵を伴った衝撃波に曝されています。これがガザの日常です。毎朝これ以上悪くなっていないとだろうと期待して目を覚ましますが、状況は悪化し続けています。

家族の避難先を見つけることができたら連れ出したいですが、家族全員の持ち物の運搬方法を考えると途方に暮れてしまいます。多くの住民にとってトラックのレンタルは高価で、普段使いできるような車両も身近にありません。同様に多くの者が家を失いガザ南部への避難費用を負担できないまま、路上生活を余儀なくされています。

最近、妻の甥が重症を負いましたが、私たちが残された最後の肉親になりました。家族全員をガザ北部から避難する方法も見当がつきません。これから下さなければならない全決断の重み、そして一方で家族を救うための選択肢の少なさに圧倒されてしまいます。

road to the south with a heaby trafic from Gaza city

©Reuters Connect

南部への道は渋滞・損傷し、危険も伴います。わずかに可動する車両でさえ、未整備のひどい状態です。避難には何時間も要し、明確な目的地も定まらないまま、ときに徒歩移動する人びともいます。南部に到着した老人・病人を所帯にもつ家族は疲労困憊で、多くの人びとが仮住まいを見つけられず、路上生活を余儀なくされています。

 

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