イエメン:戦闘の最前線にあるアデンに命をつなぐ食料を届ける
赤十字国際委員会(ICRC)は、戦闘の最前線にある南部の都市アデンで食料の配付を開始しました。160トン以上の物資は1万7500人の緊急支援に充てられます。アデン住民の約半数が自宅からの避難を余儀なくされていて、身を寄せる場所を探しています。
「アデンの住民はここ3カ月ほど非常に緊迫した状況の中で暮らしています」とアデンにあるICRCの副代表部を指揮するロバート・ジマーマンは話します。「アデンのいたる所で食料が不足しています。紛争の全当事者との合意のもと、緊急支援を公平に届けることが最優先です」。
戦闘が激化し、紛争の当事者がアデンへの物資の流入を妨害しているため、食料品の価格が急騰しています。どの店も閉店しているか少量の商品しか取り扱っていません。また、戦闘が激しいため、市民には市場に必要な物資を買いに行くことも困難となっています。そのため、数百万という市民が、人道支援に頼らざるをえません。
アデンの中でも、市民が数カ月にわたり過酷な状況に置かれていた地域への物資の配付は完了しました。家を追われた人々が避難している地域など、あらゆる戦闘当事者が関わる近隣地域での配付を今後続けていきます。
今回届けた食料は、6月30日に到着した7台の救援トラックの中の積荷の一部です。トラックには、病気の蔓延を防ぐための衛生用品も積まれていました。
「ここ数日で届けた食料だけでは、市民のニーズを満たすことなどできません。今後、戦闘の苦痛を強いられている人々のニーズにさらに応えていくために、私たちが支援を届けることを認めるよう紛争の全当事者に訴えます。これは国際人道法で求められている義務であり、市民には、安全な水や食料、医療機関へのアクセスが保証されなくてはなりません」とジマーマンは話します。「今現在も、食料といった生活必需品を届けるのには多くの困難を伴います。私たちは、支援の手を必要としている人々に緊急物資が公平に届けられるよう、全ての武装グループとの調整と対話を続けていきます」。
ここ数週間で私たちは、乳幼児や妊婦、授乳期の母親に高エネルギー食品を提供し、病気の蔓延を防ぐための衛生用品や避難家族に生活必需品を配付しました。
原文は本部サイト(英語)をご覧ください。