ウクライナ:収入のない避難民に少額融資を始める
ウクライナでは戦闘が執拗に続いており、多くの人が安全な場所を求めて避難しています。冬の訪れを間近にひかえ、赤十字国際委員会(ICRC)とウクライナ赤十字社は、人々のニーズに応えるために様々な活動を展開。その一つが、少額融資プログラムです。
紛争の最前線で地元のコミュニティの支援を受けている避難民には、定期的な収入を手にする機会がありません。生活全般を、受け入れ家族や地元当局、人道支援組織に支えてもらわなければならない状況です。
「ウクライナ東部では、数千の家族が避難していて、小さな子どもがいる人たちがほとんどです。彼らの収入は、一カ月暮らすために最低限必要とされている1176グリブナ(6420円)* 以下です」とICRCで経済安定化プログラムを担当するドラガナ・ランコビックは話します。「これでは生活してくことは困難です。これから寒い季節がやって来るので、彼らがさらに厳しい状況に置かれるのは明らかです」。
仕事に就いていない避難民と彼らの扶養者を支援するため、私たちはウクライナ赤十字社と協力して、少額融資プログラムを開始します。すでに、ウクライナ政府の管轄下にあるドネツクとルガンスクの16の地区で、試験的にプログラムが行われており、今年の終わりまで続けられる予定です。
このプログラムの対象である4200人もの人々には、銀行の緊急連絡先や融資額、引き落とし場所といった情報が、地元の銀行から携帯メッセージで送られてきます。また、ICRCに直接連絡ができるフリーダイヤルの番号も与えられます。
2014年4月以降、ウクライナ東部で起きている戦闘の犠牲を強いられている人々や避難民に、食料や生活必需品、建築資材などを届けてきました。また、薬や包帯を敵対する双方の管轄下にある病院に提供しています。
* 1グリブナ=5.46円(2015年9月現在)
原文は、本部サイト(英語)からご覧ください。