ICRCで働く
国際職員(デレゲート)として働く
赤十字というと、日本では医療や災害救援のイメージが強いと思いますが、戦禍の人々に寄り添い、命と尊厳を守ることを使命とするICRCの活動は多岐にわたります。生活の自立支援や食料・水・避難所の提供、離散家族の連絡回復・再会支援事業、戦争捕虜や被拘束者の訪問、戦傷外科やトラウマケアなど、時には紛争の最前線で現場の人道ニーズに応えます。
「公平・中立・独立」を原則に、政府、反政府勢力、ゲリラ勢力などすべての紛争当事者と対話して、人々に不必要な苦しみが与えられないよう、戦時の決まりごとである国際人道法を説くのもICRC独特の活動です。
紛争地で人道支援を行う組織の性質上、ICRCの職員には、過酷な状況下で任務を全うする忍耐力や、生死を左右する判断力、あらゆる環境への適応能力、状況やリスクの分析能力などが求められます。戦時下の人たちが何を望み、どうしたら苦しみや悲しみ、痛みを取り除くことができるのか。すべての人が人間らしく生きられるよう、そして、尊厳のある人生を送れるようにするのが私たちの究極の仕事です。
ICRCだからこそ成せる活動を通じて、救いを待っている人々のもとに駆け付け、世界の良心を届けるとともに、希望を与える存在になってください。
求める資質と人物像
厳しい環境下でも、一人ひとりの人間の尊厳に寄り添い、人道支援を達成するため、一緒に活動する仲間と円滑なコミュニケーションを図ってチームワークを機能させることが大事です。
ICRCは「被害者に対してSympathy(憐憫の情)ではなく、Empathy(感じ取る心)を持つことが必要」と考えます。同情ではなく共感するということが、人道支援を全うする際の鍵となります。
ICRCの職員には、様々な活動原則のもと、その任務には重大な責任が伴います。自らの取り巻く環境を自覚し、その責任を果たすことができる方を求めています。
人事担当からのメッセージ
ICRCの使命は、武力紛争によって被害を受けている人々の保護と支援を行うことです。紛争地で活動してきた長い歴史を持つICRCは、しばしば「Last Resort」と形容されます。困難な状況下において、中立の立場で敵も味方も関係なく傷ついた人を助けることや、他の支援機関が撤退する中でも、最前線でギリギリまで助けを求める人々に手を差し伸べ続けることなどが理由でしょう。このような活動ができるのはICRCが基本原則「中立・独立・公平」の姿勢を貫いているからです。
紛争当事者の勢力規模や思想によって交渉相手を選ぶことをしないICRCは、反政府勢力とも対話の窓口を持ちます。彼らの兵士が傷を負えば助けます。そのため、むやみに攻撃のターゲットにされることもなく、紛争当事者から常に最新の情報を入手することができます。情報を基に分析を行い、状況に合わせて迅速な行動を取ることで、自分自身や保護すべき人々の安全を守ることが可能となります。こうしたICRCならではの活動は、職員の高いパフォーマンスがあってのものです。事実、紛争地での活動は心身ともに厳しく、ICRCのデレゲートへの要求は非常に高いかも知れません。しかしながら、それぞれが高いパフォーマンスを維持するからこそ、多くの人を助けることができ、国際人道法を広めるという意義のある活動を行えるのだと思います。
(ジュネーブ本部サイト※英語)