ICRCインターンシップ体験談 広報インターン三上知香さん
2021年4月から8月までの4カ月間、赤十字国際委員会(ICRC)駐日代表部の広報インターンとして勤務した三上知香(みかみ ともか)さん。インターンシップを終えて、現在留学中の三上さんから体験談が届きました。
応募のきっかけ
新型コロナウイルスの影響で予定していた留学が延期になり、何か新しいことがしたいと思ったのが最初のきっかけです。実は、応募するまでICRCのことはほとんど知りませんでしたが、調べていくうちにICRCの人道支援活動と理念に感銘を受け、関わってみたい、そして自分も何か役に立てたらと思い応募しました。
仕事内容
ICRCの活動と紛争国の現状をもっと日本の人に知ってもらうための広報活動に従事しました。具体的には、毎月発行するE-Newsletterの企画・提案、FacebookやTwitterなどのSNS運用、ICRCスタッフへのインタビュー、コンテンツの執筆などです。他にもイベントに関連したことや、資料の作成など多岐にわたる業務を任せていただきました。
インターン期間を終えての感想
広報はまさにその組織の『顔』の一部であり、記事やSNS、資料などを含む、発行する全ての制作物には何かしらの文章を含んでいます。ICRCでのインターンでは、一語一句、細部に至るまで言葉に気を配る、ということを身に染みて感じました。特に、ICRCは公平で中立、かつ独立した組織で、国際人道法の番人と言われているので、言い回し一つで意味が間違って伝わると問題に発展する可能性もあります。人に読んでもらう文章を書くということが、いかに大変な仕事であるかを実感し続けた4カ月でした。一文を何度も書き直すことも多々ありましたが、広報チームのスタッフにアドバイスやコメントをもらい、チームとして働くことの大切さ、ありがたみも学びました。『広報』ということで、華やかで楽しそうだなと考えていたのですが、それは地道で丁寧な仕事に支えられているのだ、と痛感しました。
インターン期間中、ICRC内で催されるワークショップやミーティングにも参加させてもらい、駐日代表部の他の部署や、海外で活動するスタッフとも交流することができました。組織戦略から、動画制作や写真撮影技術、メンタルヘルスなど、さまざまな内容があり、常に新しい発見がありました。デレゲート(国際要員)のお話を聞いた際に、紛争地での活動や生活の様子を知ることができたのは大変貴重だったと思います。当たり前といえば当たり前ですが、自分の想像をはるかに超えていて、そもそも人道支援とは何か、根本的なことまで改めて考え直す機会となりました。現場で活動をした経験を持つスタッフの生の声には重みがあります。この質量のまま文章を書いて伝えることができたら、と自分の実力不足を嘆きましたが、モチベーションアップにもつながりました。また、日本という国の特殊な立場から、現地(紛争地)では『日本人』だからことできる活動もあるということは今も印象に残っています。これは日本の皆さんにも、知ってほしいです!
今後の展望
まだ具体的には決められていませんが、ICRCのように誰かの生活の向上に少しでも貢献できる仕事ができたらと考えています。インターンを経験したことで、今までは曖昧だった将来の方向性が決まった気がします。
ICRCでインターンシップを考えている人たちへ
国際的な組織で働くとは?人道支援とは?と少しでも興味があればこのインターンはとても有意義なものになると思います。ただ働くだけでなく、多岐にわたる業務で責任も感じますが、それよりも新しい気づきが常にあります。広報チームのスタッフは、インターンの意見や提案にもきちんと耳を傾けてくれ、サポートしてくれる環境です。ICRCの活動に、少しでもいいなと感じたら、ぜひ応募してみてください。