シリア:アレッポなどで支援強化
不安定な情勢が続くシリア国内では特にダマスカスとアレッポの治安状況が悪化しており、一般市民は危険にさいなまれています。過去3週間にわたり厳しい状況に置かれながらも、ICRCはシリア赤新月社とともに国内の12万5,000人を越える人々に支援を行いました。
ICRCシリア代表部首席代表のMarianne Gasserは次のように話しています。「ダマスカスの治安が悪化したため、スタッフが自由に身動きを取ることができなくなり支援活動が困難になりました。しかし一般市民からの支援ニーズは日ごとに増していたため、私たちはすぐにシリア赤新月社と連携をとり状況に対応しました」
北部のアレッポでは現在、80以上の学校が避難所として利用されています。Gasserは「私たちは特にアレッポの状況に懸念を抱いています。アクセスが悪い上、治安の悪化によりシリア赤新月社も同地での支援活動を延期せざるをえませんでした。それでも、数十人のボランティアスタッフが今も活動を続けています」と話します。
過去数週間ICRCはダマスカスとアレッポでの支援活動を集中的に行ってきましたが、ホムスやハマ、イドリブなど他の地域においても支援が必要とされている状況です。ホムスでは食料の配付や深刻な水不足に対処すると同時に、国内で支援活動にあたるシリア赤新月社への支援として4万3,000人以上の1カ月分に相当する食料を配付しました。
現在、シリア国内では50名のICRC職員がシリア赤新月社との連携のもと支援活動を行っています。過去3週間の活動内容を以下に紹介します。
・ アレッポにおいて250?1,000人の負傷者を治療するための医療品を支給。ダマスカスのシリア赤新月社に対し、包帯やその他の医療物資を支給
・ ダマスカスの学校避難所において、基礎医療や薬を提供するシリア赤新月社の移動型医療設備を整備
・ ダマスカスおよびその周辺、アレッポ、ホムス、ハマ、イドリブ、Lattakia、Hassakeh、Raqqaの12万5,000人以上の避難民に対し、2万5,000個の食料パックと、ラマダン月用に、1袋1キロのナツメヤシ・ドライアプリコットのパックを配付
・ アレッポのシリア赤新月社支部による10カ所の学校避難所の給水場整備を支援。ダマスカスおよびダマスカス郊外の27カ所の学校避難所に身を寄せる6万8,000人の飲料水や衛生環境の確保を支援。
・ ホムスの100カ所以上の学校施設に避難している30万人以上の人々に対し、引き続き十分な量の安全な水を供給。
・ ダマスカス周辺、アレッポ、ホムスで避難所として開放されている学校施設や公共施設に約1万枚のマットレスを配付。アレッポには2,000個の衛生キットを配付。
詳細な記事はICRCジュネーブ本部(英語)で確認できます。