68年前の惨劇を繰り返さないために - 広島で核兵器廃絶に向けた赤十字の取り組みを紹介
2013.08.09
広島原爆の日の8月6日、赤十字国際委員会(ICRC)駐日事務所の代表ヴィンセント・ニコが平和記念式典に出席しました。「半世紀以上にわたって毎年開催される恒例のイベントですが、決まりきった感は一切なく、まったく色褪せていないことに驚きました」とニコ。「静かさの中にとても力強い人々の意志を感じました。それは式典会場だけでなく、広島市内の至る所でも感じられました。慰霊碑や記念碑が千羽鶴と一緒に街のあちらこちらにあり、街中が人々の平和への願いとあいまって独特の雰囲気を醸し出していました」
ニコは前日の5日、平和市長会議※の第八回総会に出席し、各国政府・NGO関係者等との対話集会でパネリストとして登壇しました。赤十字の核兵器廃絶に向けた取り組みを紹介し、この国際的な重要課題にICRCはどう関わっていくのかについて発言。質疑応答でも、世界的に核兵器廃絶への機運を高めていく上で、ICRCのみならず日本赤十字社をはじめとした赤十字全体の核兵器廃絶への役割を説明しました。
二日間の広島訪問を終え、ニコは次のように語ります。「総会には、世界中からあらゆる人が同じ目標を掲げて集まっていました。まさに核兵器廃絶への機運は高まっているのです。私たちは、広島に結集されたこの思いをきちんと組み立て、体系づけ、世界中に広げなければなりません。メッセージと強い意志をリレーするのです。そのためには、もっと幅広い支援を取り付けて、廃絶という大きなテーマと闘うための確固とした決意が必要です。赤十字も今後一丸となって世論を喚起し、この非人道的な兵器が二度と使われることがないよう訴え続けると共に、その廃絶を世界中の国家に強く要求していきます」。
※2013年8月6日付けで「平和首長会議」に改称