マリ:北部での支援を強化
ジュネーブ/ニアメ(ICRC)- マリ北部では武力紛争と止まない食料危機の影響により依然として人々が困難な状況を強いられており、人道状況の悪化が深刻な懸念となっています。
食料・医療の緊急支援を強化するため、ICRCは2,500万 スイスフラン(約20億円)の追加支援を呼び掛けています。
ICRC西・北アフリカ事業局長のYasmine Praz Dessimozは「マリ北部の状況は悪化しています。武力紛争の被害を受けた何千もの人々が人道支援を頼りに生活しており、緊急に食料と医療、その他の人道支援を必要としています」と話し、「追加支援により、マリ赤十字社と行っている活動を強化することができます」と説明しました。
また、Dessimozは次のように加えました。「食料価格はあまりにも高騰しており、ほとんどの世帯は食料を買う余裕がありません。多くの公務員が避難したことと治安の悪化により、政府は基本的な医療サービスや安全な飲料水を既に供給できていません。避難した人々と同様に住民も被害を受けています」
この地域における支援活動のためにICRCが追加の資金要請を呼び掛けるのは今年に入って2回目です。ICRCのマリでの活動は、予算面で世界で4番目に大きな規模となります。
追加資金により、ICRCとマリ赤十字社は北部の約36万人に食料支援を行うことが可能となります。これらの人々の中には、戦闘の被害を直接受けた人、避難した人、わずかな食料を避難者に分け与えながら暮らす避難先の住民が含まれます。マリ中部のMoptiでは北部から避難している6万人に食料が配布される予定です。7月と8月には北部の約16万人が同様の支援を受けました。「Kidal、Gao、Timbuktu、Moptiの50万人近くの人々に対しても食料支援を行う必要があります」とDessimozは話します。
ICRCはマリ北部最大のGao病院およびAnsogo医療センターへの支援を継続するとともに、9カ所の地域医療センターに薬や医療品を配布する予定です。
また、Gao、Kidal、Timbuktuに住む6万人の住民が水を確保できるよう、ICRCは今後も同地域における発電機用の燃料を供給していきます。
ICRCはマリ北部と南部の被拘束者を訪問し、生活環境や処遇の確認も行っています。訪問調査の結果は収容所の責任者にのみ伝えられます。
ICRCはマリ北部全域にアクセスできる数少ない人道団体の一つです。
詳細な記事はICRCジュネーブ本部(英語)で確認できます。