南スーダン:ソーラー給水システムで深刻な水不足に対応

2012.06.14

ジュバ(ICRC)- 南スーダン北東部で起きた武力衝突による被害を受けたJonglei州Akoboに、ソーラー発電による給水システムが新設されました。このシステムにより今後は最大5万5千人への給水が可能になると見込まれています。

ICRCは6月14日、Akobo郡当局 に三箇所の給水所を引き渡しました。

南スーダンでICRCの配水設備エンジニア主任を務める Claudio Deolaは「2009年4月に勃発した武力衝突により、多くの人々がエチオピアとの国境に近いAkoboへの避難を余儀なくされました」と話しました。Deolaは続けて「人口の増加に伴い水不足が深刻化し、1人1日2リットル未満の水しか手に入れることが出来なくなりました。本来は1人につき1日最低20リットルの水が必要とされています」と説明しました。

ICRCは水不足が人々に与える長期的な影響を懸念し、水不足への持続可能な対処法としてソーラーパネルの発電で作動する給水システムを運用できるよう、 これまで地元の関係者と密に連携を取ってきました。

ソーラー発電による給水ポンプは1時間あたり約9万リットルの水を汲み上げ、地域の人々に十分な量の水を定期的に供給します。雨期の間も安定した給水ができるよう予備の発電機も設置しました。この給水システムは11箇所の給水網と繋がっており、約5万5千人への給水が可能となります。

Deolaはこう話します。「今後1年間、私たちは水道エンジニアの研修を行うとともにシステムが正常に維持管理されていることを確認するなど、当局をサポートし続けていく予定です」

武力衝突の被害を受けた人々が安全な水を確保できるよう、ICRCは南スーダンの各地で活動を行っています。Unity州のPariang郡では20台の手動ポンプと1箇所の給水所の修理を行いました。また、Upper Nile州のJamam難民キャンプにおいては、緊急給水システムの設置を支援しています。

詳細な記事はICRCジュネーブ本部(英語)で確認できます。