対人地雷禁止条約の発効から15年:現状に満足することなくなく、国際社会の継続的な取組が必要
ジュネーブ(ICRC)‐対人地雷禁止条約が国際条約として効力を発揮して15年が経ちましたが、地雷による犠牲者は後を絶ちません。モザンビークのマプトでは、6月23日から締約国が一堂に会し、地雷の完全撤廃と犠牲者へのより手厚い支援の必要性について話し合うための第3回検討会議が開催されます。
この検討会議では、地雷のない世界を実現する上で残されている課題を洗い出し、1999年に最初の締約国会議が開かれたマプトで採択された「マプト宣言」を再確認することを目的としています。1999年時点で地雷汚染が非常に深刻だったモザンビークは、完全な地雷除去の達成に近づきつつあります。
1週間の会議には赤十字国際委員会(ICRC)の副総裁であるクリスティン・ベーリが参加。地雷の完全撤廃へ向けた15年にわたる国際社会の取り組みを称えるとともに、現状に満足してしまうことの危うさについても警鐘を鳴らします。「対人地雷の使用を決して許してはなりません。新たな犠牲者が生まれる度に、地雷の完全撤廃への思いを改め、これ以上の被害者を出さないよう国際社会が足踏みを揃えて行動を起こす必要性を再認識することが求められます」
私たちICRCは、地雷の犠牲者だけでなくその家族やコミュニティにも支援の手を差し伸べる必要があると訴えていきます。医療や身体的なリハビリテーションの機会を提供し、心理面でサポートしながら、犠牲者の経済的・社会的復帰を後押しする必要があります。「いまだ多くの犠牲者が支援を受けられずにいます。目に見える改善を促すには、公的医療システムの拡充など、なすべきことはまだ多く残されています」とベーリは話します。
セルビアとボスニア・ヘルツェゴビナでは、豪雨による大洪水が原因で、1992-95年の旧ユーゴスラビア紛争時に埋設された地雷が押し流されて各地に散乱、地雷撤去作業に大きな遅れが生じています。「紛争が終結して19年経った今も、対人地雷は人々にとって脅威です。迅速な地雷撤去がなぜ重要なのか、今セルビアやボスニア・ヘルツェゴビナで起きている問題を知れば明白です」とICRC武器ユニットのニコール・ホッグは話します。
私たちは、対人地雷やクラスター弾、その他の爆発性戦争残存物がもたらす被害を軽減するために、政策提言や法の遵守に向けた啓発活動、リスクへの認識を高める予防活動、外科手術支援といった活動に取り組んでいます。また、アフガニスタンや南スーダン、イラクなど27の国で、義肢・義足や矯正器具の生産・提供など、身体的リハビリテーション事業を実施しています。
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