シリア:状況悪化に伴い、更なる支援が必要
シリアの一部では政府側と反政府武装勢力間の戦闘が続いており、状況は悪化の一途を辿っています。一般市民は避難を余儀なくされており、支援の必要性は日々増しています。
シリア西部に位置するHoula, al-Qubeir, al-Hiffaでは、戦闘により多くの死傷者が出ており、人々の暮らしは日々悪化しています。Hama 行政区域のMazra’at al-Qubeir から一人で避難してきた未亡人、Um Mahmoudさん(52)はこう語ります。「所持品はこの服だけです」「隣の家の人は、親戚を置いて家を出て行きました。私自身に心配する相手はいませんが、残された隣人が心配なので面倒を見ています」。今年5月から何千もの人々が安全を求めて避難しています。場合によっては、数キロしか離れていない場所へ避難する人もいます。
ICRCシリア代表部副代表のAlexandre Equeyは「支援を必要とする人は日々増えています」と話しました。続けて、「一部の地域では、人々が町の外へ出れず、支援が入ることもできません。私たちはシリア赤新月社との協力の下、何千もの人に支援を行ってきましたが、再度同じ場所へ戻り同じ人々に支援を届けなければならない状況です。一方、新たに避難をした人々への支援も必要となっています」と状況を説明しました。
ICRCとシリア赤新月社は6月4日の週にのみ、アレッポやイドリブなどの地域で支援を行うことができました。他の行政区域でも支援が必要だというシリア赤新月社の要請に応じるため、ICRCは赤新月社支部に食料やマットレス、毛布、医療物資などをあらかじめ配布しています。こういった取り組みは迅速な緊急支援を可能にし、今後も戦闘が勃発することを考慮すると特に重要な活動と言えます。
Equeyは次のように説明します。「私たちは既に何千もの人々に支援を行い、現在も活動を継続していますが、全ての場所で同時に支援を行うことはできません。まず何よりも大切なことは、人々に安心を与えることです」
ICRCはシリア赤新月社とともに、戦闘の地で苦しむ多くの人々に対し、可能な限り迅速に支援を行えるよう努めています。この2週間に渡り行ってきた支援内容の一部を紹介します。
食料、その他必需品
・ 食料パックや生野菜などの支給
・ 睡眠用のマットレス、タオル、衛生用品、台所用品、その他必要に応じた物資の支給
医療面での支援
・ ICRCが寄付した医療物資をシリア赤新月社が配布
・ 応急処置、重傷度判定検査、小手術などが可能な移動型の医療設備・スタッフを
シリア赤新月社の支社に派遣
・ Homsのシリア赤新月社病院用に、担架、聴診器、心電計などを注文
水と衛生環境の改善
・ シリア赤新月社の協力の下、学校などの公共施設内の給水や衛生設備の改善
・ 避難した人々および受け入れ先の人々への水の供給
詳細な記事はICRCジュネーブ本部(英語)で確認できます。