シリア:アレッポ市民が攻撃の対象に
ジュネーブ/ダマスカス(ICRC)
赤十字国際委員会(ICRC)は、シリア北部アレッポでの戦闘の激化に戦慄を覚えます。 アレッポではこのところ、一般市民を対象とした無差別攻撃や支援物資を受け取ろうとする市民への妨害行為が相次いでいます。
「ここ2週間で何百人もが、アレッポの住宅地への無差別砲撃の被害を受けています。このような状況を容認することはできません」と、シリアのICRC代表部首席代表、ボリス・ミシェルは語ります。「私たちは国際人道法の遵守を全紛争当事者に呼び掛けます。そして一般市民のみならず、水道、発電所、医療施設など生活の基盤となる設備を攻撃の対象としないことを求めます」
激しい戦闘によって、多くのアレッポ市民は孤立した状態です。「政府と反政府軍の支配下にある地域を繋ぐ唯一の道路がここ2カ月間封鎖され、また首都ダマスカスへの主なルートも閉ざされました。そのため、住民は医療サービスや食料、基本的な生活必需品の確保に困窮しています。病院へ14時間かけて移動している患者もいると聞きました」と、アレッポを拠点に活動するICRC職員は語ります。
ICRCとシリア・アラブ赤新月社は、アレッポの住民と現地の医療施設への救援物資の準備を整えましたが、紛争当事者からの協力がなければ、実際に届けることができません。「ここ2カ月間、アレッポ市内とその郊外の農村地帯における戦闘によって直接被害を受けた地域へのアクセスを確保しようと努めてきました。いまだ政府からの承諾を待っているところです」と、ボリス・ミシェルは訴えます。このような規制の中、ICRCとシリア・アラブ赤新月社は、戦闘から逃れた避難民を受け入れている施設の改善と安全な水の確保のため活動を続けています。
一般市民を保護し、攻撃の対象としないことをアレッポにいる全ての紛争当事者に求め、これ以上死傷者を出さないこと、また人々が生きる上で必要な施設や設備への攻撃を止めることをICRCは訴えます。国際人道法は無差別攻撃を禁止しています。攻撃対象を絞れないような精度の低い武器を人口密集地で使用しないことを紛争当事者に呼び掛けると同時に、アレッポや包囲攻撃を受けている地域への医療援助と人道支援団体の活動を即座に許可することを、ICRCは強く求めます。
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