イラク:戦闘の大きな影響を受けるファルージャ市民と医療施設

2014.05.26

 

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衝突により崩壊したモスクの瓦礫の上を歩く少年
@Reuters / A.al-Mashhadani

 

ジュネーブ/バグダッド(ICRC)

イラク西部にあるアンバール県、特にファルージャでは、イラク治安部隊と武装勢力間で現在も戦闘が繰り広げられており、赤十字国際委員会(ICRC)の支援活動にも影響を及ぼしています。2013年12月に勃発した戦闘で、市民への食料や水、燃料、医療、その他の物資の供給が中断され、アンバール県に住む何十万もの住民が自宅からの避難を余儀なくされています。

「報道によると、ここ数日間だけで3万5000人以上が避難をしたということです。多くの住民は戦闘で身動きが取れず、市内に取り残されたままです」とICRCイラク代表部首席代表パトリック・ユーセフは話します。彼は、アンバール県一帯の人道状況の視察を終えたばかりです。

「水や食料、その他の基本的生活必需品の供給は、大きく制限されています」と彼は続けます。「ファルージャでは医療へのアクセスが断たれ、医療物資は不足しつつあります。傷病者を治療できる医療従事者は、市内にほとんど残っていません。戦闘により、救急車は出動が遅れたり、動けない状況です」

ICRCは紛争の全当事者に対し、一般市民に危害を加えず、苦しむ人々に人道支援が行き渡るようにしてほしいと呼びかけています。「けがをしたり病気になった人は、迅速かつ安全に治療が受けられるよう保護されなければなりません」とユーセフは訴えます。「救急車と医療施設は攻撃対象にするべきではありません。医療従事者が治療に専念できるよう、彼らの活動を妨げるような行為も避けるべきです」

ICRCは1月にファルージャに入り、およそ3000人の市民に食料とその他の生活用品を配付しました。再び市内に戻り、緊急支援を必要としている何千もの人々へ支援活動を行いたいのですが、執拗な戦闘で実現できずにいます。「状況が許せば、すぐに市内の人々に支援を届ける用意はできています」とユーセフは話します。

私たちは、地域社会やイラク赤新月社、地方議会、中央政府と共同で、アンバール県から他の地域へ避難した人々の支援を継続しています。今までのところ、アンバール、バグダッド、ディヤーラー、カルバラー、ナジャフ、バベル、ニーナワー、アル・カディシャ、サラーフッディーンの10万以上の避難民に食料やその他必需品を配付しました。さらに、15万人以上に水を供給している給水施設も修復しました。この15万人には、避難民と避難民受け入れ地域の住民も含まれています。ICRCは衝突によって損害を受けたラマディにある一次治療を専門とする施設の修復も終えました。

 

詳細については本部のウェブサイト(英語)をご覧下さい。