フィリピン南部台風:日本赤十字社の医療チームが被災地に出発
赤十字国際委員会(ICRC)の要請に応じてフィリピン南部台風の救援のため、日本赤十字社の医療チームが被災地へと出発しました。看護師3名と技師1名からなる同チームは、現地でドイツ、ノルウェー、フィンランドの医師と合流し、3ヵ月間活動する予定です。
今回のようにICRCの要請によって日本赤十字社の医療チームが緊急派遣されることは初めて。出発間際にメディアの取材に応じたチームリーダーの伊藤明子看護師は、「医療の向上を目的として入ります。たくさんの方たちの支援になればと思っております」と力強く語りました。
現地の報告によると、フィリピンのミンダナオ島を襲った台風ボーファの影響により、南東部では9割以上のインフラが破壊され、数十万もの人々が深刻な被害を受けています。
これを受けICRCはフィリピン赤十字社との協力のもと、現場での支援を拡大。緊急支援を必要としている約20万人の需要に応えるため、ICRCは1,000万スイスフラン(約9億円)の支援を要請しました。
ICRCとフィリピン赤十字社は、今回最も大きな被害を受けたダバオ・オリエンタル州のボストン、カテイール、バガンガの全ての被災者に対して、食料と生活必需品、ブルーシートを配布する予定です。また、現地の給水システム破損を受けて緊急チームを発足、浄水処理を施した安全な水を供給しています。ほかにも、現地の病院に薬や医療品を提供し、負傷者に対応できるよう支援すると共に、被災した農村地においても医療サービスが提供できるよう医療施設の修繕を実施していきます。今回、ミンダナオ島に3ヶ月間派遣されるメンバーは次の4名です。
伊藤明子看護師/名古屋第二赤十字病院
新居優貴技師/名古屋第二赤十字病院
苫米地則子看護師/日本赤十字社医療センター
小林賢吾看護師/熊本赤十字病院