イラク:北部モースルで、犠牲を強いられている人々を支援

2014.06.12

ジュネーブ/バグダッド(ICRC)-12月から続く戦闘により、イラク中心部、特に北部のモースルでは人道支援の必要性が高まってきています。数十万もの人々が安全な場所を求めて、モースルからの避難を余儀なくされています。赤十字国際委員会(ICRC)は、全紛争当事者に国際人道法の規定と原則を尊重するよう訴え、モースルやその他の場所で避難している人々への支援活動に乗り出しています。

「執拗な戦闘による市民への影響が拡大していることを非常に懸念しています」とICRCイラク代表部首席代表パトリック・ユーセフは話します。「戦闘の影響が一般市民に及ばないよう紛争当事者たちに呼びかけています。市民は攻撃されてはならず、安全な場所への自由な移動も認められるべきです。住居や病院、学校、礼拝所といった文民の建物も攻撃の対象にすべきではありません」

遺体の回収や処理、埋葬は、敵味方関係なく速やかに行われるよう配慮されなければならないと国際人道法に明記されています。また、被拘束者や武装勢力内で地位にある人は、いかなる状況下でも人道的に扱われなければなりません。

モースルは電力不足にも苦しんでいます。多数の負傷者を治療できる病院でも、電力不足により医療活動を完全に休止したり、規模を縮小して稼動。ICRCは避難民の支援を開始し、すでにモースル北部のズマールとアルコシュの1万人以上の避難民に、1カ月分の食料とその他の援助物資を配付しました。

「私たちは全紛争当事者に、医療サービスを継続できるようにしてもらいたいと訴えています」とユーセフは話します。「負傷者や病人を治療しなくてはなりません。そのためには、医療従事者や施設を保護する必要があります」

キルクークやエルビル、バグダッドのICRC職員は状況を綿密にモニターしています。さらなる食料と援助物資が数日のうちに届けられます。必要としている人々に支援が行き渡るよう、ICRCは、部族やコミュニティの長老や政府当局に対し、人道アクセスの確保を求めています。

 

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