ウクライナ:援助物資を載せた車両に関する情報の提供を
8月12日にロシア政府が首都モスクワからウクライナ東部に向けて人道支援物資を積んだトラック280台を出発させた、とする報道について、赤十字国際委員会(ICRC)は、より詳細な情報の共有を求めています。ICRCが支援を現地に届けるには、安全なアクセスの確保と全ての紛争当事者との直接対話、そしてトラックが運ぶ物資の内容と量などの詳細が必要となり、現在も当局の対応を待っている状況です。
ウクライナ東部の人道状況は、執拗な戦闘で切迫しており、多くの都市で医療品や水、電力といった生活必需品が一カ月にわたり欠如しています。
欧州・中央アジア事業局長のローレン・コルバスは、現状について次のように話しています。
「ロシアとウクライナの当局は人道支援実施について合意し、ICRCが調整役となることを条件に、車列を派遣する可能性についても話し合いました。私たちは調整役として、人道支援を即座に実行する用意ができています。しかし、紛争下で活動するには、安全や紛争当事者と直接対話ができるルートの確保など具体的な準備が必要で、まだそこには至っていません」
「私たちは、今回派遣されたとされる車列の規模や支援物資の中身を知らされていません。現時点でロシア当局から得ている情報では、派遣されたトラックは280台で、12日早朝にロシアを発ち、同日夜にはウクライナと合意した国境付近に到着する見込みであるということだけです」
「ウクライナおよびロシアの双方の当局はICRCの支援要件を把握していて、私たちは現在も引き続き彼らと協議しています。人道支援物資を積んだ車列の派遣については、当局に情報提供を求めています」
「ウクライナ東部の人道状況は悪化しており、多くの市民が支援を必要としているのは確かです。国際社会に対して支援のための追加資金要請を出したことで、多くのドナー国がICRCに支援を寄せてくれました。心より感謝しています」
欧州・中央アジア事業局長 ローレン・コルバスのインタビュー(英語)