ウクライナ:大規模な支援活動の準備に入る
ジュネーブ(ICRC)- 赤十字国際委員会(ICRC)は、ロシアとウクライナの双方に追加で職員を派遣し、戦闘の影響を受けているウクライナ東部で支援を開始すべくロジ面での準備を開始しました。
ウクライナとロシア当局は、それぞれがウクライナ東部に向け支援物資を搭載したトラックを送っており、私たちはそれら支援の仲介と管理を任されました。なお、ロシアから出発した支援トラックの検査および通関といった手続きや積荷の内容確認がまだ両国間で行われています。
「両政府が合意に達したら、支援を必要としている人や病院、他の支援団体に直ちに物資を運ぶ予定です」とICRCの欧州・中央アジア事業局長であるローレン・コルバスは話します。「ウクライナ東部では、水や電力などの生活必需品が欠乏しており、支援のスピードが鍵となります」
ロストフに着いたロシアのトラック周辺には、既にICRCの職員が待機しており、さらに15名の職員も間もなく到着する予定です。ウクライナのトラック50台が到着したスタロビルスクにも、私たちの職員が向かいました。
「支援活動が円滑に行われるよう、職員の安全確保を全紛争当事者に求めています。ロジや安全面での懸念が残るため、今回の支援活動には時間がかかることが予想されます。私たちは両政府に対し、懸案事項について直ちに合意するよう呼びかけています」とコルバスは続けます。
ウクライナ危機が発生してから、ICRCとウクライナ赤十字社は避難民に対し、救援物資やスーパーの引換券を配付してきました。また、ドネツクやルハンスク、ハリコフの医療施設に、負傷者治療用の医療品も配付。ウクライナ当局の管轄下にある収容所の臨時訪問を行い、収容所訪問に関する正式合意に向け政府と対話を続けています。また、反対勢力側にいる被拘束者も訪問できるよう交渉しています。
私たちは今後もウクライナ東部で人道支援活動に取り組んでいきます。既に、フィンランド、スイス、イギリス、アメリカ政府とカナダおよび日本の赤十字社から財政支援が届いています。
詳細はジュネーブ本部のウェブサイト(英語)をご覧下さい。