ウクライナ:支援が喫緊に必要なルガンスク
ジュネーブ/キエフ/モスクワ(ICRC)-赤十字国際委員会(ICRC)の職員は、主要インフラが壊滅的打撃を受けて水や電力供給が停止しているルガンスクを訪問しました。住宅街で断続的に続く爆撃や戦闘に巻き込まれるのを恐れ、市民は家から出ることが出来ません。
戦闘からの避難を余儀なくされている人は数十万にも上りますが、支援はほとんど行き届いていません。電話やインターネットなどの通信網が遮断されているため、多くの人が家族との連絡が取れずにいます。ロシアとウクライナからトラックで運ばれた救援物資を支給するため、3人一組で構成されるICRCのチームがルガンスクを訪れました。
「戦闘は執拗に続いていますが、紛争当事者には一般市民と民用物への攻撃を避けるよう呼びかけています。ルガンスクなど戦闘下にある地域では、食料や医療品などの生活必需品の配付と家族との連絡再開が喫緊に必要です」と、人道支援物資を搭載した車輌についてモスクワでロシア当局と協議したICRC欧州・中央アジア事業局長のローレン・コルバスは話します。
ICRCとウクライナ赤十字社は、スタロビルスクやリシチャンスク、セベロドネツクなどウクライナ東部の多くの地域でウクライナ当局からの支援物資の一部を配付。避難所や病院に避難を余儀なくされている2万人以上にフルーツや野菜などの食料を届けました。
救援物資を搭載したロシアからのトラックは未だロシア側国境付近に待機中ですが、ICRCは、追加職員の派遣やウクライナ当局からの許可取得などウクライナ通過に必要な税関手続きと準備を進めています。私たちは直ちに支援に乗り出せる状況にありますが、そのためには、ロシアとウクライナ双方が積荷の内容に合意し、全紛争当事者が援助を届ける私たち職員の安全を保障することが前提となります。国際人道法では支援要員、特に赤十字標章を掲げている者を尊重・保護することを紛争当事者に求めています。
また、一般市民や家屋、学校、医療施設、自動車、給水設備といった民用物を対象とした攻撃も国際人道法では禁じられています。人口密集地内または周辺に軍事目標を配置することも可能な限り避けるよう定められています。
一般市民や民用物と軍事目標とを区別出来ない武器の使用を含め、無差別攻撃も禁じられています。そのためICRCは、都市部や住宅街での爆発性武器の使用を止めるよう紛争当事者に訴えています。
詳細はジュネーブ本部のウェブサイト(英語)をご覧下さい。