ウクライナ:支援を最も必要としているルガンスクの人々
ジュネーブ/キエフ/モスクワ - ルガンスク入りしている赤十字国際委員会(ICRC)職員の報告によると、ルガンスクの住宅街では断続的な爆撃が続き、一般市民や人道支援従事者が危険に晒されているとのことです。
「ルガンスクでは電話などの通信網が機能していません」とICRCの欧州・中央アジア事業局長であるローレン・コルバスは話します。「そのため、ルガンスクでこの数日間活動を展開している私たちの同僚から情報を入手するのが非常に困難です。市民が支援の手を必要としているのは明らかです。食料や医療品は不足し、安全な水も入手困難です。この状況をすぐに変えなければなりません」
私たちは、安全が保障される限り、市民のニーズを把握し、ルガンスクを始めとするウクライナ東部での活動を拡大しようと尽力しています。何週間も家族との連絡が途絶えている人々のために、家族再会支援の実施も私たちが優先的に取り組まなければならない領域です。
ICRCは、ウクライナ政府から支給された支援物資の配付について、新露派のルガンスク人民共和国と対話を続けています。紛争当事者がICRC職員の安全を保障しない限り、支援物資の配付は困難だからです。
ルガンスク当局は、8月22日にロシア政府から受け取った支援物資の配付を開始しました。私たちはロシアおよびウクライナ両政府と対話を続けていますが、現時点では職員の安全が約束されないため、この支援活動に同行していません。しかし、これまでのICRCの経験を生かし、支援物資の配付計画の策定に協力しました。
紛争当事者は、支援の手を最も必要としている人に公平に物資が行き渡るようにしなくてはなりません。ルガンスクでの武力衝突により、人々が安全に物資の配付場所にたどり着くことができるのか、懸念が高まっています。
ICRCは、一般市民や民用物と軍事目的を区別できない無差別兵器を使用しないよう呼びかけています。一般市民、家や学校、医療施設、自動車といった民用物、ならびに食料保管庫や給水施設などの市民の生存に不可欠な設備を攻撃対象としないよう紛争当事者に訴えています。また、紛争当事者は人口過密地域内や周辺に軍事目的を設置することを避けなければならない、と国際人道法で定められています。
詳細はジュネーブ本部のウェブサイト(英語)をご覧下さい。