南スーダン:一部地域で人道的状況に対する懸念が高まる
南スーダンのジョングレイ州における止まぬ武力衝突により、何千もの人々が家を追われています。雨季を目前にし、被害にあった人々に対してICRCは、支援と医療ケアを提供しました。
「私たちは、ジョングレイ州の人道的状況を危惧しています。止まない暴力により何千もの人々が家を追われているからです。」と南スーダンのICRC副事務所長であるAdrian Zimmermannは話します。ジョングレイ州は面積が広大であり、6月から11月の雨季にかけて陸路のアクセスが困難になることから、人々に支援を届けるのが非常に難しくなります。
「人々は医療ケア、食糧、安全な水、そして種子を必要としています。私たちは、雨季による物流面での制約がある中、これら必要最低限の物資を提供すべく最大限の努力を払っています。」とZimmermannは付け加えました。ICRCは緊急外科チームを南スーダンに配置しており、カナダ赤十字社から派遣された外科チームにより緊急外科手術も行われました。
1月からICRC外科チームは、上ナイル州のNasir、ジョングレイ州のPibor、Bor、Walgakに派遣され、緊急外科手術を行いました。過去4カ月で、150人以上の人々がICRCの手当てを受けました。
食糧とその他主要物資の配布
ICRCは3月に、ジョングレイ州の12,000人と上ナイル州と西バール・エル・ガザルの2,500の家庭に漁業道具を配布しました。また、ICRCのエンジニアがピボールの8つの手動ポンプを修理し、4,000人以上に清潔な水を提供するに至りました。
5月の終わりには、80,000kg以上の食糧等をジョングレイ州のピエリとワートに配布し、4,000人の避難民にソルガム、豆、砂糖、油を提供しました。これらの活動は、物資を必要としている人々のリストとその人数を事前にICRCに提供してくれた地域の長老たちとの緊密な連携のもと進められました。「食糧がもらえたおかげで、木々も少し休むことができるでしょう。」とある女性は言いました。彼女の言葉は、酷い食糧不足に苦しむ多くの人々が、木の葉を食べざるをえなかった状況を示唆しています。
上ナイル州とスーダンと国境を接する西バール・エル・ガザルでも定期的に支援物資が提供されました。15,000人以上に食糧が、20,000人に日用品が、50,000人に種子が配布されました。
1,800人以上の被拘束者を訪問
2012年11月に内務省と締結した合意により、ICRCは国内の被拘束者の現状と待遇の調査を許可されており、過去4カ月間で、ICRC職員はジュバを含む5カ所の州刑務所に収容されている1,800人以上の被拘束者を訪問しました。
「訪問の目的は、被拘束者の待遇改善を求めることにあります。ICRCは調査の結果を国の行政府と共有し、改善に向けて働きかけます。」と国内の被拘束者関連活動を担当するAgnès Coutouは説明します。ICRCはまた、拘束を担当する行政府が、保健サービスや衛生施設分野での国際標準を遵守できるよう支援する用意もしています。ジュネーブ条約に基づき、ICRCは中立の立場で、今年の初めから5人の被拘束者をスーダンから南スーダンへ帰還させています。
南スーダン赤十字社との協働を強化
ICRCと南スーダン赤十字社との協力体制は、6月14日に締結されたパートナーシップ・フレームワークへの合意により強化されました。合意には、離散した家族との再会を支援するなど長期的なプログラムが含まれています。
ICRCと南スーダン赤十字社は、2012年に12人の孤児たちと家族の再会を成功させました。また、緊急時に負傷者や病人に応急手当てをするボランティアからなる緊急活動チームを共同で立ち上げました。
詳細な記事はICRCジュネーブ本部(英語)で確認できます。
南スーダンにおけるICRCの活動についてはこちら(英語)をご覧下さい。