アフガニスタン:医療施設の保護が優先課題に
28/10/2014
アフガニスタンでは、多くの一般市民が紛争の犠牲となっています。赤十字国際委員会(ICRC)は、引き続き医療施設の保護活動に注力しています。
「夏にかけて戦闘が拡大したことで、どこまで市民と医療施設に影響があったのか懸念しています」とICRCの南アジア担当事業局長であるアンソニー・ダルジエルは話します。「アフガニスタンのような不安定な情勢にある国では、医療従事者や患者を攻撃対象としないことが大切です。」
国際人道法の下では、市民や、医療従事者、医療施設は保護の対象となります。これは必要な人に適切に治療を行えるようにするためです。同時に、傷病者が安全に医療施設に辿りつけるようにもしなければなりません。医療関係者や、医療施設、搬送手段、患者を保護するにはどうしたらいいのか、9月にニューヨークで開かれた国連総会で議論されました。また今月には、北京で開かれた国際赤十字・赤新月運動の地域会合においても、同じ議題が話し合われました。
「医療従事者が攻撃されるケースが増加しており、この数カ月は医療行為への妨害も頻繁に起きています」とICRCのアフガニスタン代表部で副代表を務めるモニカ・ザナエリは話します。「戦闘のさなかには、一般市民でさえも医療施設に行くことが出来なくなります。私たちは、医療従事者と一般市民を攻撃対象としないよう、全紛争当事者に呼び掛けています」
ICRCは、単独であるいはアフガニスタン赤新月社と協力しながら、避難民や経済的に困窮しているコミュニティを支援し、全ての人が清潔な飲料水と医療を享受できるよう活動しています。また、家族の連絡再開支援や被拘束者の待遇改善などにも取り組んでいます。
以下は、2014年7月から9月までのアフガニスタンでの活動報告です:
- 23カ所の収容所(被拘束者数は総計9150名)を28回訪問しました。
- アフガニスタン赤新月社と協力して、470通の赤十字メッセージを回収し、460通を届けました。その多くは被拘束者と家族間でのやり取りでした。
- ミルワイス病院とシェベルガン病院を引き続き支援。両病院には、計1万480名の患者が入院し、6万2420人の外来患者が診察され、2980件の手術が行われました。
- 685人の武器携帯者(含反武装勢力)と医療従事者に応急処置の訓練を行いました。また、紛争の前線から病院に負傷者を搬送する機会が多いタクシー運転手にも同様の訓練を行いました。
- アフガニスタン中部のコミュニティでは、3回におよぶ獣医支援も行われました。家畜の害虫駆除や2250頭の畜牛の治療などです。
- 7カ所の収容所にいる計3万1400もの被拘束者のために給水と衛生施設を改修しました。
- 48のアフガニスタン赤新月社病院を支援しました。これらの病院では、延べ20万1390人の外来患者を診察。ポリオや小児が罹りやすい病気を予防するために11万9830回の予防接種が行われました。
原文は、ジュネーブウェブサイト(英語)をご覧下さい。