リビア:依然困難な状況が続くバニワリード
リビアのバニワリードでは依然として困難な人道状況が続いています。激しい戦闘を逃れ避難した人々を支援するため、ICRCは今週リビア赤新月社とともに、食料や飲料水、医療品、その他の生活必需品を同市に近いTarhunaとOrbanに身を寄せる1万人以上に配付しました。
約1ヵ月前にバニワリードで戦闘が勃発して以来、多くの人々が避難を余儀なくされてきました。特に戦闘が激化してから1週間の間に避難者の数は増大しました。避難者の多くはTarhunaやOrbanに身を寄せています。同地で支援活動の調整を担当するICRC職員のAsma Khaliq Awanは、「避難した人々はみな疲労困憊し、困惑と怒りに苛まれています。わずかな所持品だけを手に家を離れており、助けを必要としています」と説明しています。
バニワリード病院への医療品提供
バニワリードで戦闘が勃発して以来ICRCは計3回現地入りし、医療品の提供や人々の避難を支援しました。ICRCは3回目の現地入りの際、戦闘が始まって以来バニワリードで身動きがとれなくなっていた外国籍の医療従事者7人を避難させました。
ICRCは今後もバニワリード周辺の人道状況を観察し、離れ離れになった家族を再会させる支援活動を続けていく予定です。また、避難者への食料、水、生活必需品の配付も行っています。
Tarhunaに避難している人々はリビア赤新月社の倉庫から直接支援物資を受け取っています。「Tarhunaでは避難者全員が受け入れ先を見つけることができました。これは本当にすばらしいことです」とAwanは話します。
Orbanでも同様に、避難者のほとんどが受け入れ先を見つけることができました。受け入れ先が見つかるまで学校施設に身を寄せる人も多く、市議会と地元の団体はこれらの避難者を支援するための救援委員会を設置しました。ICRCはこの委員会を通した支援活動も行っています。
Orbanでは通常、市内にある唯一の井戸から汲んだ水をトラックで家々に運ぶことで水の供給を行っていますが、学校施設に避難する人が増えたためICRCは市内8ヵ所の学校に水汲み用のバケツを配付しました。8ヵ所の学校それぞれに毎日トラック1台分の飲料水を、少なくとも1週間供給することで地元の議会と合意しました。
また、患者が殺到した場合にも対応できるよう、ICRCはOrban周辺の病院や医療施設に薬と医療品を提供しました。ICRCのNa’im Isma’il医師は、「私たちは、1,000人分の治療を行うための薬や包帯などの医療品を提供しました」と話しました。
リビア赤新月社との協力
リビア赤新月社はベンガジなど遠隔地からもスタッフを派遣し、Tarhuna、Orban、バニワリード、ミスラタで支援活動を行うと同時に、同社の救急車で戦闘による負傷者や死亡者を移送しています。
詳細な記事はICRCジュネーブ本部(英語)で確認できます。