ICRC総裁、朝鮮半島訪問を終える
ジュネーブ(ICRC):赤十字国際委員会(ICRC)総裁、ぺーター・マウラーは北朝鮮および韓国の政府高官との会談を終え、本日ソウルを発ちました。
今回の訪問でマウラー総裁は、ICRCが朝鮮半島において両国と緊密な協力関係を築き、人道ニーズへの対応を強化してくことに積極的であることを強調しました。また、過去60年間再会を果たせずにいる何千もの離散家族の苦しい状況について、両国政府に問題を提起しました。
「最近再開した離散家族の訪問は非常に前向きな一歩ですが、このような家族に残されている時間はわずかです。私たちは、プログラムの規模を拡大し、時間をかけずに全ての家族が再会を果たせるよう両政府に働きかけます」とマウラー総裁は話します。「ICRCはこの分野に長けており、要請があればプロセスを円滑に進める支援にも積極的に関わりたいと思います。」
マウラー総裁は北朝鮮で、金永南最高人民会議常任委員会委員長、厚生労働委員長、外務副委員長、祖国統一委員会副委員長と面会しました。総裁は、現在のICRCの活動状況を説明し、外科手術、リハビリテーション、水・衛生インフラ整備といった分野での協力拡大の可能性を示唆しました。今回の訪問では、ICRCのパートナーである北朝鮮赤十字社とも広範囲にわたり協議をしました。
「過去10年間、ICRCは北朝鮮赤十字社と協力して2カ所のセンターで身体的な障がいを負った人々に質の高いリハビリテーション・サービスを提供してきました。ごく最近では、施設を改修した4つの地方病院の整形外科手術病棟との協力を拡充しています。これらの活動をさらに拡げ、水・衛生施設の改修分野でさらなる支援を申し出ました」とマウラー総裁は語りました。
ソウルでは、朴槿恵大統領、外交部長官、国防部長官、大韓赤十字社と面会。「ICRCは韓国において国際人道法を啓蒙し、世界の人道問題について主要機関と連携してきましたが、これらの活動は着実にしています。今がまさに、この協調関係を一歩先に進める時期なのです」と、韓国政府との協力合意文書締結の席でマウラー総裁は述べました。
マウラー総裁は日曜日に訪問した北京で、6名の中国人看護師に贈られたフローレンス・ナイチンゲール賞の授与式に出席し、そこで習近平国家主席と面談しました。
詳細については
Martin Unternaehrer, ICRC 北京事務所, tel: +86 139 10 44 92 74
Ewan Watson, ICRC ジュネーブ本部 tel: +41 22 730 33 45 or +41 79 244 64 70
Sébastien Carliez, ICRC ジュネーブ本部, tel: +41 22 730 28 81 or +41 79 536 92 37