南スーダン:最新の活動報告
南スーダンで2013年12月に人道危機が起きてから、1年が経過しました。赤十字国際委員会(ICRC)は南スーダン赤十字社と協力し、紛争の影響下にある数十万の人々に対し、次のような支援を続けています。
- 医療施設への後方支援や技術支援のほか、武器による負傷者への手術や治療の実施
- 避難民や紛争及びその他暴力を伴う事態の被害にあった人々に対し、テントや防水布を含む食料や生活必需品の配付
- 清潔な水の提供と給水・衛生システムの改善
- 離散家族の再会・連絡回復支援
危機が長引くなか、私たちは、紛争が原因で人々が直面している問題に対し、持続的な解決策を提示し、コミュニティが再建されるよう支援してきました。このような支援の一つに、コミュニティに清潔な水を継続的に提供することを目的とした給水システムの維持管理が挙げられます。ここ最近では、南スーダン各地の給水システムと水路の修復を行いました。その結果、7万人が安全な水にアクセスできるようになりました。
多くの水路は、掘削孔や水中ポンプ、高架貯水タンク、ポンプを動かすソーラーパネル、蛇口付スタンドが設置されている自立型の給水システムで、地元住民の安全な水へのアクセスを可能にしています。ICRCは南スーダン各地で水路を建設しており、北バハル・アル・ガザール州のアウェル郡では、水路が既に7つの地域に設置され、また、9月に5つの郡で8つの水路の建設が完了しました。ワートでは、現在水路が整備されているところで、追加水路の建設の可能性についても検討されています。
ジョングレイ州のボルでは、町の給水システムが昨年の戦闘で故障し、住民は手動のポンプに頼らざるを得ませんでした。住民たちは一日に一人当たり平均で7.5リットルの水を手動で汲み上げます。町の給水システムを修理するために、ICRCの水と住環境整備チームは、発電機2台の修理や浄水タンクの清掃、漏水と無駄使いを無くすために市の蛇口付スタンドの整備を行いました。給水システムを刷新することで、以前と比べ、給水量は約5倍に増えましたが、町に戻ってくる人々の人数を考慮すると、住民一人当たり一日13リットルを供給できるようにしなければなりません。今後、地元住民のニーズに応じられるよう、給水システムをさらに拡大していく予定です。
私たちは南スーダン各地で、紛争の影響を受けていたり、避難を余儀なくされている人々に支援の手を差し伸べています。
また、紛争当事者とは引き続き非公式に対話の場を設け、国際人道法で求めらているれる義務である一般市民や投降した戦闘員の保護を呼びかけています。
私たちは、可能な限り迅速に南スーダンの人々のニーズに対応し、食料や生活必需品を届けられるよう、ロジ面でのの強化を図っています。南スーダン赤十字社と協力して活動し、国際赤十字・赤新月社連盟や多くの各国赤十字社とも連携を図りながら、支援を展開しています。
紛争が勃発してからの1年間の活動は次の通りです。
医療
- 15の医療施設で、3800人以上の患者の手術と治療を行いました。
- ICRCが運営・支援している3つの身体障リハビリテーションセンターで、障がいを持つ1500人の人々に様々なサービスを提供しました。
避難民への支援
- 南スーダン各地の48万人以上に生活必需品を提供しました。この数字には、2回以上支援を受けた11万5000人も含まれます。
- 28万1000人以上の避難民と、各地の医療施設や収容所、また紛争影響下の地域で生活する人々に、安全な水を提供しました。
コミュニティ再建支援
- 38万5000人に家庭栽培に必要な種子と道具を、13万6000人に自ら食料を確保できるよう釣り道具を配付しました。
- 191人の獣医を訓練し、そのうち106人に、薬や医療器具を配付しました。
収容所訪問
- 各地の収容所に拘束されている4400人を訪れました。
- 非常事態下にある350人の被拘束者に、2週間分の食料を届けました。
離散家族の再会・連絡回復支援
- 家族間で1万4000本の電話を取り持ち、1140通の赤十字通信を届けました。
- 南スーダン国内の保護者・育者のいない子ども93名の情報を登録しました。
国際人道法の普及
- 2000人近くの軍や武装グループのメンバーならびに武器携帯者を対象に、国際人道法に関する訓練と普及活動を行いました。
詳細は、本部サイト(英語)をご覧ください(PDF)。