レバノン:行方不明者のさらなる情報を呼びかけ
ベイルート(ICRC)- ICRCは8月28日、レバノンでの度重なる武力紛争で行方不明となった人々の家族を訪問し、未だ消息のつかめていない身内の情報を提供してもらいました。この取り組みはICRCが今年4月に開始したプロジェクトの一環で、消息を絶つ以前の情報の収集が目的です。
「紛争や暴力の応酬により行方の分からなくなった人々の家族を訪問することによって、新たな行方不明者を登録できると思っています」と、レバノン代表部の首席代表Jurg Montaniは述べます。
今回の家族訪問は、8月30日の「国際行方不明者の日」のアート展開幕に伴って行なわれました。「Thousands are missing… And thousands are missing them(何千人もの行方不明者、そして彼らを思う何千もの人々)」と題された同イベントをMontaniは次のように解説しています。「いまだ行方の分からない家族の消息を多くの人が追い求めているという事実を再認識するだけでなく、絵画や写真などの作品を通して彼らの人生、痛み、勇気そして夢に触れる機会を与えてくれます」
1975年にレバノンで内戦が勃発してから何千もの人々が行方不明となりました。消息を絶った人々の家族の支援を長年行なっているICRCは、家族の要請に基づいて、この4月に行方不明者の情報収集を開始しました。それらの情報は今後、身元確認を行う過程で役に立つことでしょう。
「行方不明者の情報が失われることなく、きちんと守られていることを確認することが狙いです。結果的には、”行方不明になっている家族の消息を知りたい”という最も当たり前の要望に応えることが可能となるのです」とMontaniは語りました。
1967年からレバノンに常駐しているICRCは、中立と公平の原則の下、紛争や内戦によって被害を受けた一般市民の支援・保護にあたっています。
詳細な記事はICRCジュネーブ本部(英語)で確認できます。