シリア:悪化の一途をたどる人道状況
戦闘が続くシリアでは9月、人道状況が急速に悪化しました。特にアレッポ、ダマスカス、ホムス、Deir Ez-Zor、ダマスカス郊外は最も被害を受けており、何万もの人々が家を追われました。避難後別の場所へ再度移動を余儀なくされた人々も多数います。ICRCとシリア赤新月社は20万人以上の人々に食料の配付やその他の支援を行いました。
ICRCシリア代表部首席代表のMarianne Gasserは次のように話しています。「紛争の激化により人々のニーズも高まりました。状況は以前より危機的です。大部分のインフラが被害を受けたり破壊されたりした為、住民は生き残るために必要なものを入手することすら困難な状況です。また、不安定で危険な状況あるいは医療品の不足が原因で、特に医療へのアクセスが阻まれています」
迫り来る冬に備えICRCとシリア赤新月社は避難者を中心とする3万人以上の人々に毛布を配付しました。Gasserは「寒い冬の到来は、暴力から逃れている人々へ一層苦しみとなります。私たちは厳しい状況下においても、苦しみを強いられた人々を支援するため最善を尽くしています」
年始以降、ICRCはシリア赤新月社との協力のもと100万人以上に食料を配付し、基本的な家庭用品を25万人以上の人々に配付しました。また、同時期にダマスカス、ダマスカス郊外、ホムスの100万人以上の人々に水を供給しました。
ICRCとシリア赤新月社による活動の詳細
支援
9月初旬から、ICRCとシリア赤新月社はダマスカス、ダマスカス郊外、イドリブ、ホムス、ハマ、アレッポなどにおいて4万個以上の食料パックを毎月20万人以上の人々に配付。また、家庭用品やマットレス、タオル、衛生用品、毛布などの生活必需品も配付。
水、衛生、避難所
・ シリア赤新月社とともにダマスカスの6カ所、ホムスの30カ所、アレッポの60カ所の公共施設における給水設備や衛生環境、宿泊設備を修理・改良。
・ ダマスカス、ダマスカス郊外、Deir Ez-Zoir、ホムス、アレッポの学校やその他の公共施設、ホストファミリーの元に身を寄せている数千世帯に飲料水を提供。
・ ダマスカス郊外の6万5,000人とDeir Ez-Zoirの1万5,000人の避難者に水を運搬するシリア赤新月社支部を支援、水不足に対応。
・ ホムス市内のAin Al-Tanour給水ポンプ場にて2,000キロワットの予備発電機を新設。100万人以上の人々の安定した給水を確保。
医療
・ 医療の需要を把握するため、ダマスカス市内2カ所の病院の状況を調査。
・ シリア赤新月社の救急医療チームがダマスカス郊外のDarayaに赴き医療を提供。
・ シリア赤新月社が運営するホムスとイドリブの病院に外科用機器を提供。
今年1月から9月までにICRCとシリア赤新月社が行った活動を地図上でご覧ください。
(http://icrcproject.org/interactive/03-09-2012-syria-map.html)
詳細な記事はICRCジュネーブ本部(英語)で確認できます。