アフガニスタン:状況悪化に伴い根強く求められる人道支援

2013.10.28

アフガニスタンでの紛争は収束する気配がなく、人道支援の必要性は消えることがありません。2013年1月から9月までの赤十字国際委員会(ICRC)の現地での活動を報告します。

「人口過密地地帯での紛争が続き、一般市民が犠牲になっています。人々は、集中砲火で死傷しているのです」とICRCアフガニスタン代表部の首席代表であるゲラルド・ポンドランドルフィは話します。「一般のアフガン市民は、安全な場所を求めて家を離れることを余儀なくされています。同時に、援助団体にとっては、喫緊に支援を必要としている人々へ手を差し伸べるのがますます困難になっています」

ICRCはアフガニスタンの人々への支援に尽力しています。アフガ二スタン赤新月社と協力して、紛争犠牲者が必要としている支援を提供してきました。国際社会は、アフガニスタンの人々が他の紛争の陰に隠れてしまうことを許してはなりません。アフガニスタン向け支援は、政治的・安全保障上の問題と関係なく、継続されるべきです。

「私の息子は簡易爆発物により負傷し、カンダハールのミルワイズ病院に連れて行きました。途中、様々な武装勢力が数か所で私たちのタクシーを止めました。病院に到着した頃には、私の息子は危険な状態で、命を救うために最善を尽くすと医者に告げられました。私は希望を失っていましたが、ありがたいことに手術は成功し、息子は命を取り留めたのです」と同国南部ウルーズガーン州ギザブ県出身のジュマ・カーンさんは語りました。

「国際人道法のもとでは、傷病者に対する医療サービスへのアクセスが確保されなければなりません」とポントランドルフィは話します。「また、治療を必要としている人々に適切に行き渡るよう、医療従事者や施設も保護されなければなりません」

ICRCは、北部と南部の病院二か所に医療物資と医療専門技術を提供しました。また、国中の傷病者に治療とケアを提供できるよう、44か所のアフガニスタン赤新月クリニックを支援しました。

手足が切断されてしまった何千もの紛争被害者と事故のために障害者となった人々は、ICRCが運営する7か所の義肢義足センターで身体的リハビリサービスを受けています。ICRCの支援により、多くの患者が職業訓練を受け、社会復帰し生活費を稼ぐための小口融資制度の恩恵を受けています。

ICRCは紛争当事者との対話を継続しています。人道法に関する啓発を行い、遵守の必要性について説明しています。一般市民を保護するグループとも協力しています。またICRCは、紛争が原因で収容されている人々を訪問し、彼らが家族と連絡が取れるよう尽力しています。

2013年1月から9月にかけてのICRCの活動を下記にまとめます。

・ 2,752人の被拘束者を訪問。うち1,164人は初対面。拘束されていた22名の帰還を支援。
・約6,750人の新規患者を受け入れる。7か所のICRC身体リハビリセンターで受け入れた910人の体の一部を切断された患者も含む。
・5,000人以上に就業の機会を提供し、cash-for-workプロジェクトに参加できるよう支援。
・10,000人以上の武器携帯者、市民社会メンバー、支援を受けている人々に対し、ICRCの使命と活動について説明。
・ミルワイズとシェベルガン病院への支援を継続。36,550人の入院患者と173,000人の外来患者が来院。両病院で10,850件の手術を行う。

ICRCのアフガニスタンでの活動(英語)については、こちらをご覧下さい。