ウクライナ:一般市民も集中攻撃に巻き込まれる事態に

2015.02.03

 

ウクライナのドネツク©Reuters

 

ドネツクの住宅街やデバルツェボといった都市への激しい爆撃は、週末を通して続きました。危険な状況のなか、赤十字国際委員会(ICRC)は、多くの人々が避難している紛争の最前線で支援活動を継続しています。しかし、爆撃が続く都市では、一般市民への物資の配付に苦戦しています。

 

ウクライナ軍と反政府勢力の戦闘が拡大しているため、一般市民の生活は危険に晒されています。人々は、安全や食料、水、薬、電力、避難所を求めています。「安全が全く保障されないため、支援を必要としている人々に手を差し伸べることが不可能になってきています」とICRCウクライナ代表部で首席代表を務めるミシェル・メイソンは話します。「状況は日を追うごとに悪化しています」と彼は警鐘を鳴らします。「人々は何日間も地下室に隠れ続け、基本的な支援を手に入れたいと思うなら、負傷や命を危険に晒す覚悟をしなくてはなりません」。

 

無差別攻撃は国際人道法によって禁じられていて、ウクライナにおける全ての紛争当事者が国際人道法を遵守しなくてはなりません。家や学校、医療施設、輸送機関といった民用物や一般市民、そして食料や飲料水の備蓄施設など市民生活に不可欠なインフラを直接の攻撃対象としてはなりません。

 

「人口密集地で爆発物を使用すれば、一般市民や一般市民の財産、生活を営む上で不可欠なサービスが直接的で容認し難い損害を被るだけでなく、長期間にわたる深刻な影響に苦しむことになります」。

 

私たちはこの2週間で、ルガンスクやドネツク地域における紛争の最前線で、負傷した兵士を治療する5つの病院に対して、包帯や医療物資を供給しました。血液透析やエックス線の機器は、ドネツクのカリニン病院に寄贈されました。

 

同時期にICRCは、紛争の最前線に近いルガンスクやドネツク地域のデバルツェボやブーレヒレスク、アウディーイウカ、スタニツァ・ルガンスカ、ポパスナ などの40の村や町、都市に食料やその他物資を届けました。約3万もの人々が、パンや小麦粉、穀物、油、蝋燭、ジェリー缶、衛生用品を受け取りました。

 

刑務所におけるニーズの高まりの中、ドネツク市を含むドネツクやルガンスク地域で拘束されている5000人以上の被拘束者に緊急支援を届けました。私たちは、紛争が原因で自由を奪われた、紛争当事者双方の被拘束者を訪問しています。

 

原文は本部サイト(英語)をご覧ください。