フィリピン:台風30号の被害を受けたサマール島での支援を拡充
台風30号が村々を押し流し、家族を引き離し、何千人もの命を奪ってから3週間が経ちましたが、生存者のほとんどはまだ支援に頼っています。赤十字国際委 員会(ICRC)と赤十字社・赤新月社のパートナーは、安全な水と緊急保健医療の提供を中心に、支援への取り組みを拡充しています。
サマール州東部は台風30号の被害を最も受けた地域の一つですが、硬直している紛争状態が台風による惨状をさらに悪化させています。「住民たちは台 風に襲われる前から貧困に苦しんでいましたが、今回の災害で水供給ネットワークや医療施設も深刻な被害を受け、さらに農作物や生活手段も壊滅的な打撃を受 けました。これらコミュニティの住民の生活を立て直すには、今後数カ月、あるいはそれ以上の長きに渡る支援が必要です」とマニラで台風30号に対応してい るICRCの支援を調整しているビンセント・カサールは話します。
ICRCとフィリピン赤十字社は今後3カ月で67,000人に飲料水を、63,000人に緊急ヘルスケアを提供する計画です。この二組織は、住民の 生活手段を立て直すために長期的な支援にも乗り出す予定です。「サマール島の南海岸沿いで被害を受けたコミュニティに対し、必要とされる限り食料を配付し ていきますが、最終的には彼らが持続可能な形で収入を得て、自分たちの足で再び生活ができるよう支援をしていく計画です」とカサールは続けます。
ヘルスケア
ICRCはノルウェーとフィンランド赤十字社と協力し、バセイに緊急病院を、バランギガに仮設診療所(ベーシック・ヘルスケア・ユニット)を設立。この二つの施設は、被害を受けた医療インフラが再建される間、医療サービス提供の中心的な担い手となります。
家族再会支援
フィリピン赤十字社はこれまで、35,000人の行方不明者に関する問い合わせを処理。またICRCと協力して、氏名をリストに登録・公開したり、衛生電話を使って家族と会話することで、サマール島とレイテ島の住民が親族に生存情報を伝えられるよう支援しています。
台風30号被害者専用ファミリー・リンクのウェブサイトも立ち上がり、親族の捜索に役立てられています。
清潔な水
水供給インフラの修復は、避難センターがいくつか集まるギワンで集中的に実施されています。ICRCのエンジニアはギワンの水道委員会と協力して、毎日30,000人以上の人々に飲料水を提供し、浄水場の再建にも取り組んでいます。
食料
食料と生活必需品の配付は、ギワンからボートでアクセスできるビクトリー島やホモンホン島といった台風30号の直撃を受けた沿岸遠隔地の人々の命を救いました。58,000人以上の人々が食料の提供を受けました。
被災した収容所への支援
フィリピンでのICRCの活動のひとつは、収容所を訪問し、フィリピン担当当局が国際基準に沿って被拘束者を待遇するよう支援することです。
ICRCは台風後サマール島とレイテ島にある23カ所の収容所を訪問し、必要とされる緊急援助の内容を特定し、場合によっては食料や水を配付しました。これらの訪問を通して、ICRC職員は親戚からの知らせが途絶えた被拘束者が電話で家族と話せるようサポートしました。
ICRCは既に120名近くの職員を現場に派遣。今後サマール島での支援活動が拡大することが予想される中、職員数も増える見込みです。
さらなる情報については、本部の記事(英語)もしくは、下記にお問い合わせ下さい。
ソアーデ・メソウディ、ICRCフィリピン代表部(マニラ):電話+63-918-907-2125
セシリア・ゴーイン、ICRCフィリピン代表部(マニラ):電話+63-999-887-0969
アリソン・ロペス、ICRCフィリピン代表部(マニラ):電話+63-908-868-6884
イワン・ワトソン、ICRC本部(ジュネーブ):電話+41-22-730-3345 / +41-79-244-6470
ICRCウェブサイト:www.icrc.org