シリア:危険な結果を伴う人道危機
2013年8月29日
ジュネーブ / ダマスカス:赤十字国際委員会(ICRC)は、化学兵器使用や過熱する対立に関する報道を受け、シリアの現状を非常に懸念しています。
「シリア市民はかつてないほど苦しみ、それは終わりがないように思えます」とICRCシリア代表部首席代表のMagne Bartは話します。報道によると、今日までに10万人以上の死者が出ていて、毎日百人単位で死亡または負傷に苦しむ人々が増えているということです。また、日々多くの人々が国内外に避難しています。「状況が悪化すれば、避難民は増え、人道支援の必要性が高まるでしょう」と彼は語ります。
「ICRCやシリア赤新月社が立ち入りを禁じられている多くの封鎖地区で、医療必需品、食料、水が非常に不足しています」とBarthは続けます。「ダマスカス郊外県では、医療品や医療従事者の不足により多くの市民が死にかけています。また、援助物資が定期的に届かないため、飢餓にも苦しんでいるのです。」
「ICRCとシリア赤新月社は、継続的な人道支援活動の提供と、全地域への無制限アクセスが許可されれば今までと変わりなく支援を必要としている人々に、手を差し伸べていく覚悟と準備ができています」とBarthは訴えます。
国際人道法では、紛争当事者は支援を必要としている市民に人道支援が円滑に届けられるよう努めなければならないと定めています。負傷・病気の人々が医療を受けられるよう彼らの権利も尊重しなければなりません。また、化学兵器使用は国際人道法の重大違反とみなされます。ICRCは、シリア国内の全紛争当事者に化学兵器使用の禁止を呼び掛けます。
詳細な記事はICRCジュネーブ本部(英語)で確認できます。
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化学・生物兵器についてはこちら(英語)をご覧下さい。