イエメン:戦闘が激化するなか一般市民が犠牲を強いられていることを懸念

2015.03.26
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首都サヌアで被害にあった人たちと対話をするICRCのチーム ©S. Ammane/ICRC

 

赤十字国際委員会 (ICRC)の代表部は、同国での戦闘が激化するなか、首都サヌアやその他の地域で起きた空爆で市民が犠牲になったことに懸念を示しました。多くのイエメン人はこれまでの長引く紛争で多大な犠牲を払っており、現在の状況にもただ耐えるしかない状況に置かれています。

 

「一連の紛争の全当事者は、戦時の行為を定めたルールを遵守する義務があります」と、ICRCイエメン代表部首席代表セドリック・シュワイツァーは話します。

 

国際人道法下では、連合軍に参加するすべての国やイエメン軍、武装グループは、区別や均衡、予防の原則を守り、一般市民や民用物への攻撃を避けなければなりません。

 

また私たちは全紛争当事者に、人命の尊重と被拘束者への適切な対応、負傷者には必要な医療へのアクセスを確保をするよう訴えています。医療施設は安全を確保されなければならず、攻撃の対象としてはなりません。

 

最近、私たちはイエメンの公衆衛生省と緊密に連携をとっており、患者の負傷の度合いを素早くチェックし、適切な治療を行うために、トリアージ・テントを南部の都市アデンのジョームフーリア病院に寄付しました。また医療品やその他の物資も届け、これまで病院で治療を受けた患者は40人に上るとされています。

 

南部のタイズで起きた抗議デモで命を落としたのは8人、負傷したのは140人以上と報告されています。そこで私たちは、50から70人の患者を治療できる医療用キットを配付しました。

 

事態の進展を受け、戦闘の影響を受けているアル・ダーレやラヒジの医療施設に物資を運ぶ準備が進められています。

 

少なくとも140人が犠牲となり340人が負傷した首都サヌアのハシャフシュやバドルのモスクでの爆発への対応として、ICRCは戦傷者用キット2つとその他の医療品を、多くの死傷者を治療している3つの病院に供給しました。

 

私たちは、サヌアやサアダ、タイズ、アデンなどに300ものチームを配して活動を展開。人道ニーズに緊急対応し、中立の立場で支援を行う準備を整えています。イエメンの赤新月社とも緊密に協力して緊急支援を行っています。

 

原文は本部ウェブサイト(英語)をご覧ください。