南スーダン:新たな紛争が新たな苦難を生む
赤十字国際委員会(ICRC)は、南スーダンで新たに発生した武力衝突の影響により、数万人の一般市民が新たに避難を余儀なくされていて、その道中で食料や医療不足に陥ることを懸念しています。
多くの一般市民が、南スーダン北部ユニティ州のレール、及び上ナイル州のコドックから避難しています。私たちは、交戦によって一般市民の避難経路が遮断されてしまうことを大変危惧しており、すべての武装勢力に対し、国際人道法の原則に従って一般市民が砲火のターゲットとならないよう注意喚起を促しています。
「南スーダンの人々は、何度生命を危険な状況に晒され、攻撃のなか、避難を強いられなければならないのでしょうか」とICRC南スーダン代表部で首席代表を務めるフランツ・ラウヘンシュタインは話します。「私たちは紛争当事者に対し、一般市民を攻撃の対象としないこと、また彼らが避難する行程を妨げないよう求めています」。
レールから逃れている人々の多くが、約1年前ユニティ州内の別地域からやって来た避難民です。今は作物の作付け時期にあたるため、家族に食べさせるために作物を育てようとしていた人々への影響は計り知れません。
私たちは現在、安全上の理由から通常の活動を一時中止し、レールにいる職員数を減らさざるを得ない状況です。しかしこの地域は、食料の配布が最も必要とされている場所なのです。
「避難の長期化は人々をより困難な状況に陥れます。10万人にも及ぶレール市民が、想像もできないような過酷な状況で隠れながら生活し、またその状況が刻一刻と悪化していくことに対し、大変な憂慮を感じています」とラウヘンシュタインは続けます。「私たちはこうしたコミュニティへのアクセスを確保しなければなりません。戦闘に関わるすべての人に対し、私たちの活動を妨げないよう呼びかけています」。
レールに加え、新たな武力衝突が発生した上ナイル州でも、一般市民が避難を余儀なくされています。南スーダンで戦闘が拡大すればするほど、性暴力や食料及び医療不足、若者の徴兵といったかたちで、脆弱な状況化にある人々の苦しみが増大することになります。ICRCは、15歳以下の子どもの登用は国際人道法上禁止されており、戦争犯罪と見なされるということを喚起しています。
コドック地域では砲撃が止まず、ICRCが支援する病院の患者の生命を著しく危険な状況に追い込んでいます。これに関しても、私たちは医療施設を攻撃しないよう呼びかけています。
病院が開いているのは不幸中の幸いですが、それでもコドックの情勢が悪化したことにより病院も近隣のオリニーへと移転しなければなりませんでした。移転により、私たちは、避難してくる一般市民への治療を続けることが可能となっています。
原文は、本部サイト(英語)をご覧ください。