南スーダン:人道危機の高まりで飢餓が拡がる恐れ
南スーダンでは現在、何十万もの一般市民が飢餓に苦しんでいます。赤十字国際委員会(ICRC)は、直ちに行動を起こさなければ、人道危機がさらに拡大すると警鐘を鳴らします。紛争が激化したこの一カ月間で、住む家を追われた人は数十万に上りました。
この数字には、18カ月前から続く危機で既に避難している200万人は含まれていません。多くの人は、隣国のエチオピアやウガンダ、スーダン、ケニアに逃れています。
「市民が直接攻撃されているという報告を受けています。私たちの外科チームは、負傷者が押し寄せるなか、休むことなく救命のための手術を行っています。人道危機は激しさを増していて、多くの人が命を落とし、負傷しました。中には今回の避難が、2回目、3回目、という人もいるのです」と東アフリカ担当局長のエリック・マークレーは話します。
「一般市民は無条件に保護対象となります。国際社会や南スーダンでの危機を憂慮している国々、援助機関には、迅速で幅の広い支援を行うよう訴えます。食料や清潔な水、医療に対するニーズは喫緊で、現在の状況が改善されなければ、何十万という人々の生命が危険に晒されることになります」とマークレーは続けます。
人道状況の悪化が特に懸念されるのは、北部のユニティ州のコークやマイエンディト、ルブコナ、レール、上ナイル州のマラカルやメルート、アコーカ、ロンジチュク、そしてジョングレイ州の中部と北東部です。経済活動は停滞し、物価は上昇。基本的なサービスもほぼ機能していません。
私たちは、食料の配付や農作物の種や農具の提供、家畜の予防接種、医療支援や外科手術の実施など、これまでも紛争の犠牲を強いられているコミュニティを支援してきました。
しかし、さらに多くの支援が必要とされています。人道危機の高まりを受け、私たちはドナーに対し28億9200万円(2200万スイスフラン)の追加支援を要請します。この追加支援により、南スーダンでの活動規模は201億1400万円(1億5300万スイスフラン)となります。今後、34万人(当初予定は15万人)に食料を届け、種子の配付と牛の予防接種を拡充していきます。ICRCの南スーダンでの活動規模はシリアに次いで2番目に最大です。
*1スイスフラン = 131.47円(2015年6月現在)
原文は、本部サイト(英文)からご覧ください。