シリア:絶望感が深まるなか立ち上がろうとする人々
アッセム・エル・エッサウィーは、赤十字国際員会(ICRC)のフィールドコーディネーターとして、シリアでの任務を終えたばかりです。
在任中にシリアの人道状況は悪化し、訪れた場所のいたるところで目にした大規模な破壊が忘れられない、と話すエッサウィー。
絶望が深まる一方で、現地の人々は生き抜くための道を探し、母国を離れて難民となるより、たとえ辛い状況でも故郷に留まることを選んだ人もいる、と語ります。
以下は、映像の翻訳です。
シリアではフィールド・コーディネーターとして、全職員の安全確保と現場や事務所内の環境の整備、ならびに車輌などの活動に必要な機材の発注や管理を担当していました。
シリアの人道状況は悪化していて、経済が打撃を受け、インフラは崩壊。燃料や食料が不足し、医療システムは崩壊の危機に直面しています。私たちは、人々のニーズに応えるべく力を尽くしていますが、十分とは言えません。国内を移動中に目にするのは、破壊されつくした町や都市です。つまりそれだけ多くの人々が家をなくし、避難を余儀なくされている、ということになります。
しかし、このような状況にあっても、立ち上がろうと努力するシリアの人々の力には目を見張るものがあります。
私がシリアに着任したばかりの頃とは比べものにならないほど、戦闘は人々に影響を及ぼし、多くが絶望の淵にいます。本当に心が痛みます。人々は、国に留まり、なんとかして最低限の生活を維持しようと必死に努力していて、彼らの耐える力には感銘を受けました。しかし、人々の間に漂う絶望感が増しているのも事実です。そして、誰も解決策を見つけられずにいます。
生活の維持や現状への対処の仕方は人それぞれですが、国内に留まりたいと思う人の多くが、必要最低限の生活を保つために人道支援に頼っています。私たちは、シリア・アラブ赤新月社と協力して支援活動にあたっています。現場で何が起きているのかを理解し、私たちの支援を人々のニーズに合ったものにするために、シリア・アラブ赤新月社からの協力は不可欠。シリア・アラブ赤新月社の活動を尊重し、ボランティアを保護し、彼らの活動を妨げないよう紛争の全当事者に呼びかけます。
原文は、本部サイト(英語)をご覧ください。