イラク:3600万スイスフラン(約45億7488万円)の追加支援を求める
バグダッド/ジュネーブ(ICRC)― イラクでは、避難を余儀なくされる人々の数が急増しており、大規模な支援が必要となっています。このような事態を受け、赤十字国際委員会(ICRC)は、イラクに対する既存の支援に加えて、3600万スイスフラン(約45億7488万円、約3850万ドル、約3430万ユーロ)の追加支援を要請しています。
現在、イラク国内には270万の国内避難民がいます。2014年上旬、その数は30万人でした。避難民が急増した背景には、国内各地で激化する戦闘行為があります。
「戦闘の影響を受ける地域では、重要なインフラが破壊されています。水や医療といった基本的なサービスを受けることが難しくなっており、人々のニーズが急激に高まっているのです」と、イラクを訪問中であるICRC事業局長のドミニク・シュティルハルトは言います。「追加の支援があれば、90万の人々に支援を届けることができます。特に、これから暑い夏が始まるにあたって、安全な水を届けることが最優先の課題となっています。また、戦闘によって破損および破壊された医療施設の再建にも充てることができます」。
「訪問中に目にした光景は、衝撃的なものでした。避難民の人々が置かれている状況は、非常に深刻なものです。彼らの中には、避難先で攻撃や脅迫を受けている人もいます」とシュティルハルトは説明し、アンバール、バグダッド、そしてキルクーク県の訪問を振り返ります。「私たちはこれからも紛争の全当事者と対話を続け、国際人道法のもとで一般市民や被拘束者、傷病者を保護する責任を負っているということを彼らに伝えていきます」。
「2015年の始めから、ICRCはイラクで50万人以上に一カ月分の食料や、その他生活必需品を配付してきました。また、国内の45の医療施設に必要な医療用品を届けています。そして、ICRCの活動を通じて、40万以上の人々に水が提供されています。被拘束者の訪問も継続的に行っており、彼らが人道的な処遇を受けているかを確認しています」。
「イラクの人々は、あまりにも長い間、厳しい生活を強いられてきました。数々の紛争や戦闘は、今後何世代にもわたって影響を残します。だからこそ、今こうして多大な努力を注ぎ込み、人々の苦しみを軽減することが重要となるのです」。
*1スイスフラン=127.08円(2015年5月現在)
原文は本部サイト(英語)をご覧ください。