イエメン:尊厳をもって遺体の回収と保管を行う
2015.08.18
赤十字国際委員会(ICRC)は、戦闘が激しさを増すイエメン国内の様々な地域で、遺体が積み上がったままの状態にあることを懸念しています。
「戦闘が激化するにつれて、犠牲者が放置される事態が増えています。死傷者を助け出す際に危険が伴うためです」と、イエメンでICRCの保護担当局を率いるノーラン・ホアスは話します。
国際人道法では、遺体を丁重に尊厳をもって扱うことが求められています。紛争当事者は、可能な限り様々な手段を用いて、速やかに遺体を安全な場所へ移さなければなりません。「私たちは、すべての紛争当事者に対して、遺体の尊厳を尊重し、速やかに遺体を回収するよう呼びかけています。同時に、可能な限り、遺体の身元を確認し家族へ引き渡さなければならない、とも訴えています」とホアスは続けます。
遺体の引き上げが少しでも遅れると身元確認が難しくなり、苦しむのは遺族です。「遺体の身元を確認できなければ、彼らは『行方不明者』となってしまい、遺族は家族の死を悼むことができません」。
身元確認を容易にするため、戦闘行為に参加している人はすべて記章をつけることが推奨されています。
中立の立場にある仲介者として、紛争当事者からの直接の要請のもと、私たちは3月の紛争勃発以降、407名以上の遺体を回収してきました。この活動は、イエメン赤新月社との協力のもと、政府当局からも支援を受けながら実施しています。しかし、遺体の回収や記録、身元確認は、政府当局と紛争当事者が責任を持って行わなければならないことに変わりはありません。
原文は本部サイト(英語)をご覧ください。