シリア全土に及ぶ包囲の迅速かつ一斉の解除を呼び掛け

2016.01.13
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シリアのICRC代表部で首席代表を務めるマリアン・ガサー。1月11日に包囲下にあるマダヤに入った共同輸送車両を取り囲む人々と話す©CC BY-NC-ND / ICRC / P. Krzysiek

 

 

赤十字国際委員会(ICRC)は、シリアにおける人道ニーズが膨れ上がり緊急支援が必要だとして、全土で行われているすべての包囲を解除するよう訴えています。今週初めに、数カ月にわたり包囲下にあった3つの町にアクセスが可能になりましたが、今回の訴えはそこでの現状を目の当たりにしたことを受けでのものです。これらの町の人々は、筆舌に尽くしがたい状況下で暮らしています。ICRC、国連、そしてシリア・アラブ赤新月社による共同輸送車両は、マダヤやケフラヤ、フアに住む何万もの人たちに食料や医薬品、毛布を届けました。

 

シリアにおけるICRCの活動を統括するガセーは、シリア国内では現在も40万人が包囲下で生活していて、彼らへの支援が喫緊に必要だ、と呼びかけます。

 

「マダヤで目のあたりにした光景は本当に心の痛むものでした。人々は窮地に追い込まれています。食料不足も深刻です」。

 

「最も苦しんでいるのは高齢者や女性、子どもで、ひどい栄養不良に苦しめられています。私がこの国で活動を始めて5年が経ちますが、この状況はこれまででも最悪といえます。なんとか食い止めなくてはなりません」とガサーは話します。

 

マダヤ同様に数か月のあいだ包囲され、人道状況が悪化していた北部のフアとケフラヤでも、命をつなぐための支援が届けられています。

 

多くの人が緊急に治療を必要としていて、食料不足が事態の悪化に拍車をかけています。

 

「シリア全土で展開されている町や村での包囲は、迅速かつ一斉に解除されなくてはなりません。包囲の解除を待つ一方で、人道支援車輌には、無条件で定期的なアクセスを迅速に与えるよう訴えます。そうすれば命が救えるのです」と、ICRCで中近東地域事業局長を務めるロバート・マルディーニは呼びかけます。

 

シリア国内の様々な地域で活動するICRCの職員は350名。彼らは食料や水、医薬品、シェルター、その他の生活必需品を届けています。シリアでの活動規模は、ICRCの中でも最大です。

 

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原文は、本部サイト(英語)をご覧ください。