イエメン:拡大する避難民たちの支援ニーズ

イエメン
2018.11.27

今日、イエメンで住民の避難を強いている主な原因の一つは、暴力の激化です。

避難民が日常ベースで直面する深刻かつ突発的な危機は、民間人に向けられた攻撃によってもたらされます。時に、その攻撃は民間人および戦闘員の区別なく向けられますが、民間人を対象にすることは国際人道法に違反します。

弱い立場に置かれたイエメンの避難民たちは、膨大な量の支援を必要としていて、とても不安定な状態にいます。同国で自宅をから避難した約200万人のうち、大半が避難民を受け入れるホストファミリーのところに身を寄せるか、宿を借りて生活する一方で、間に合わせの住まいで生活する人たちもいます。こうした状況は、すでに戦闘の影響を受けているホストファミリーの生活を、ますます逼迫させます。

2018年の上半期、わたしたちは約50万のイエメン人に救援物資を提供しました。また、200万以上の人々が安全な水とより良い公衆衛生へアクセスできるよう支援しました

ホデイダ市での衝突から避難すべくマラワにある学校の裏庭で質素な食事をつくるアフィアさんと彼女の夫。調理の合間に段ボールの上で眠るのは孫。ほぼ同じ頃に避難し、行方不明になっている4人の子どもたちのことが頭から離れない二人。孫の面倒をみることが慰めになっています © A. Zeyad/ICRC

タイズ・サラにある自宅からムダファーに避難して1カ月弱、オマリさん家族が借りた小さなワンルームのアパートは、爆撃を受けました。家族は何もかも失い、一家の稼ぎ手は大怪我を負いました。息子とその家族が家を出て行った後も、ファティマ・アル・オマルさんと寝たきりの夫は焼け残った家に残り、親切なパン屋からもらったわずか7切れのパンで食いつなぎます。「無力感しかなく、どうすべきかもわかりません。神様、どうかご慈悲を」と60歳の彼女は話します © Khaled Al-Saeed/ICRC

アマルさんとその家族の生活は、故郷シャカブ村近郊で起きた戦闘で家が破壊されて、すっかり変わってしまいました。避難中に狙撃兵の銃弾が彼女の首に命中。病院に到着するまでの2時間は、人生で最も苦痛な時間でした。ですが、トラウマはそこでは終わりません。病院で、二度と歩くことができないだろうと告げられたアマルさん。彼女は現在、借家の小さな部屋に横たわり、息子と娘と共に過ごしています。「最も辛いのは、子どもたちが何かを求めてきた時に何も与えてあげられないことです。何も持っていないからです」と彼女は語ります © K. Al-Saeed/ICRC

35歳のアルワさんは、妹と10人の子どもたちと一緒に1日1回の食事をとります。数年前にサアダからサヌアへ避難せざるを得なくなり、生活が大きく変わってしまいました。サヌアでは、他の避難民たちの住まいの間に家を作りました © Y. Arhab/ICRC

オム・ハリードさんは、ホデイダでの暴力から逃れてアデンに移って以降、唯一のシェルターとなったのは彼女の車です。3人の子どもと車中で寝食をともにします。近所の人たちが、時折、食べ物を差し入れてくれたり、トイレを貸してくれます。さもなければ子彼らは、近くの放棄された敷地を使わざるを得ません © H. Al-Wassabi/ICRC

サヌア郊外のダラワンにある避難民用居住地で生まれた一番下の娘マラムちゃんを抱く、38歳のカイザランさん。故郷のハッジャ―で武力衝突が激化し、家族が家を離れて数日後にマラムちゃんが生まれました © Y. Arhab/ICRC

家族と生活するために即席で作ったテントの隣に立つアリさん。故郷タイズで衝突がエスカレートし、戦いが自宅近所にまで及んだとき、彼らは比較的安全なアデンに逃れざるを得ませんでした © S. Balhees/ICRC